京都チャリティーFUNランでは、はじめての体験をした。朝起きてバッグを開けると、マラソン用のランパンが入っていない。いつもの収納袋は持参していたが、中はもぬけの殻(空)。ワコールのCW-Xは、自宅ベッドの上だろう。これはやばい。シューズ、サングラス、帽子はあるが、アンダーがないと走れない。
ハーフのスタート時刻は朝9時。近鉄の上鳥羽駅にある娘の家を出て、とりあえず着替えないで宝ヶ池まで電車で行くことにした。ランパンやシューズを販売している運動具店が、どの会場でもー軒くらいは出店しているものだ。
近鉄から地下鉄、鞍馬線を乗り継いで45分。駅から会場まではさらに歩いて10分。なんとものんびりした雰囲気の大会だ。道を歩いている人はちらほら。チャリティーの小さな大会で、10Kとハーフに千人くらいかな?
ランパンが入手できない場合は、パンツ(笑)で走るしかない! でも、あった、あったぞ。一軒だけ出店してました。お姉さんから、アシックスの売れ残り品のランパンを2千円で購入。ラッキー。しかし、Tシャツを買うのがいかにももったいない。
参加賞は、予想に反してバンダナらしい。白いのをもらうことにしたが、さて上半身のウエアがない。ユニクロのランニングシャツで、代用することにした。ゼッケンをつけたら、どうせわかりはしないだろう。
宝ヶ池を8周して、最後は、沿道の短い直線を2往復する未舗装のコース。走路が凸凹で走りにくい。じゃり道が狭いから、観光客とぶつかりそうになる。
たいして暑くもないのに、ゴールタイムは1時間59分51秒。ぎりぎり2時間を切れたからよしとしよう。これで11週連続で公式マラソン大会を完走できた。記録は途切れなかった。来週は、北海道でJAL千歳マラソン。15年前は、30KM地点でリタイア。リベンジランに挑戦する。
さて、走り終わって宝ヶ池の国際会館駅から、地下鉄烏丸線で京都駅まで出る。林夫妻と娘のともみと四人で、京都駅前のそばや「丸福」にて、ランチをする約束をしていた。丸福のおそばは、すごくうまいのだ。わたしはそば好きな方ではないが、前回の美味しさが忘れられず、林夫人にお店を指定させてもらった。
国際会館駅から京都駅には早めに到着。食事まで30分ほど余裕がある。京都駅の周辺をふらふら歩いて、三人の到着を待つ。林さんが早めに到着。ともみは、職場に寄ってからやってきた。
前回と同様に、天丼に小ざるそばにしようとしたら、林さんから待ったがかかった。「ここのカツ丼、意外にいけるんですよ」。すすめられるままに、カツ丼(大盛り)に小ざるそばを頼む。
ともみは、なすのあんかけを、林夫妻は、あたたかい海鮮そばを注文した。たしかに、カツ丼のごはんがおいしい。卵は適度な半熟で、だし汁がごはんによく滲みている。ざるそばも、食感がよくて舌触りがしこしこ。
京都はうどんの町かと思いきや、そばがうまいとは、、、走ったあとゆえ、キリンのラガーを二本も飲んでしまった。
今度の京都は、たくさんの仕事を兼ねていた。
いちばんの目的は、科研費の海外調査で、昨年できなかった「上海アパレル市場の消費者調査」の打ち合わせをすること。ついでに、今年度の予算で、上海地区のコンビニ日系3社と現地民族系3社のサービス比較調査を設計すること。そのための上京である。
二日目にハーフマラソンを走ったの後で、町屋の宿泊体験をすることにした。林教授の同志社BS時代の生徒さんが、古い町屋を改修して、宿泊施設として商売をしている。建物の形式は簡易旅館だが、これがなかなかイケテイル。じゃらんやHPでネット検索できるが、名前はローマ字で「KAGARIYA」。
五条烏丸の路地裏にあった古い町屋を改修して、旅館として再利用することにしたらしい。一階がひと部屋(六畳の畳間からは坪庭が見える)、階段を昇った二階に2部屋(六畳×2の続きの間)。最大で4人が泊まれる。一泊ひとり12000円(人数によるらしい)。一日一組の限定。
さて、五右衛門風呂のようなお釜風呂に入って、体の汗を流した。すっきりしたので、ともみと五条烏丸の周辺を散歩することにした。セブンイレブンで夜の買い物(アルコールとつまみ)をして、五条の通りを渡ったたら、素敵なそばやを見つけた。「そばの実 よしむら」。
暖簾越しに中をのぞくと、職人さんが三人でそば打ちをしているのを、フランス人の観光客5~6人が並んで見学している。そばがが食べたいらしく、店の女の子に英語でたずねている。何を言っているのか聞き取れない。
美味しい店の見極めには、めっぽう自信がある。30~40分ほど近くの小路をふらふら歩いて、美味しそうな店を探したが、「よしむら」以外にはピンとくる店が見当たらなかった。
そんなわけで、路地裏をぐるんと回って、五条の交差点脇の「よしむら」に戻ってきた。7時少し前。
ふたりで、町屋にていっぱいやったので、おなかがあまりすいていなかった。フランス人の一団の隣で、お酒と「はものざく」と「稚アユのてんぷら」を頼んだ。酒は、イモ焼酎の佐藤にした。実は、内心は、昼間がてんぷらでなくてよかったと(笑)。
このそばや「よしむら」は、嵐山が本店だ。清水寺にも支店があるらしい。この烏丸店は、一階と二階に50~60席ほど。外国人が多いが、メニューには英語もフランス語も中国語も書いていない。
この店で、外国人がそばやてんぷらを注文するのは、一苦労だろう。敷居が高そうだが、それでも、雰囲気が良いので吸い寄せられるのだろう。それだけの価値はありそうだ。
娘とふたり、小一時間ほど、カウンター越しに、職人さんたちがそばを茹でるさまを眺めていた。延々と帳場のレシートの並べ方の順番と、品出しのタイミングについて、ふたりでああでもないこうでもないとコメントを展開。結論は、狭い「オープンキッチン」だが、職人さんたち5、6人で、上手に連係プレイができている。そばを茹でてさばく様が実に手際よく見事に見えた。
ふつう、これだけ忙しいと、女子店員が疲れた顔をしていたり、若い子には私語が多いものだ。この店にはそれはない。しかも、「いらっしゃいませ」や「おおきに」に、変な作り笑顔がない。これがサービスを受ける側としては気持ちがよい。プロの仕事に見えるからだ。
おなかがすいていたら、ちょっとつまんでみた一品もあったのだが、それは次回にすることにした。最後の締めは、ふたりでざるそばを頼むことにした。細い方のそばで。細めの二八そば。オーダーを入れたら3分以内で出てきた。
わたしの見立ては、店内がつねに混んだ状態なので、そばについては、見込み(生産)で茹でているのではないのか。温そばと冷めんで二種類、太麺と細麺のサイズも二種類。都合、四種類。温かいそばは、冷たくしたのにお湯をかけている。工程的にはほぼ、2つのパタンを交互に繰り返すだけだ。
さて、5分もかからずに、ざるそばがカウンターから出てきた。これがなかなかの逸品だった。茹でる時間はほんの数分で。娘の観察では、「タイマーが鳴るまで、時間は1分半から2分じゃない?」。
最後に食べたいものが食べられたのだが、考えてみると、一日に二食ともそばにしたのは、これも生まれて初めての出来事だったかもしれない。マラソンに行くのにランパンを忘れたのも、人生初。昼も夜も、二食ともそばになったのも、生涯初でした。
「よしむら」、そばの味もお店の雰囲気も素敵です。
わたしたちが入った烏丸の店は、「蕎麦工房 蕎麦の実 よしむら」(京都府下京区五条烏丸東入る)。
電話:075-353-0114
営業時間:11:00~14:30、17:30~22:30(ラストオーダー22:00)
年中無休だそうです。