夏休みに入って、神戸の家族4人が東京下町のわが家に移動してきた。その昔、千葉県白井市に住んでいた小川家5人が、秋田の実家まで東北自動車道を長距離で移動したものだった。その距離は600KM。神戸在住の4人組も、同じ歴史を繰り返している。神戸・東京間の移動距離は、40年前と同じで約600KM。8時間の長距離ドライブである。
孫ができて、親から爺やになってはじめてわかることがある。長男の由が家族を連れて、東名高速を東に移動してくる。道中で交通事故に遭遇したらと、えらく心配になる。息子の家族は、一昨日も夜中の12時に神戸の家を出ていた。彼らの安否を気遣って、ふと夜中に目が覚める。
いまのわたしと同じ心配を、亡くなった秋田の両親もしていたのだろう。この年になって、そうした親の愛情を知ることになる。自分がハンドルをにぎっていたころ、それは杞憂だろうと笑い飛ばしたものだった。わたしの想いは、いつか子供たちにリレーしていくのだろう。
夏休みは始まったばかり。そう思っていたら、学校が休みに入った7月20日からでは3週間。その昔、長崎と広島に原爆が投下された8月6日と9日が過ぎた。終戦の8月15日が過ぎると、秋田の夏は終わった。東京に移住したいまでも、アスファルトの照り返しが強烈な8月15日は、真夏の終結宣言の日だ。
この夏、早めに一人で高砂のわが家に泊まりに来ていた孫のさらも、連休明けの14日には家族と一緒に神戸に戻っていく。2019年の東京の夏は、さらには水族館三昧の休みになった。東京スカイツリーにある「すみだ水族館」には、かみさんと二度も行った。
わたしとは、京成線とJRの電車を乗り継いで葛西臨海水族園に行った。猛暑のせいなのか、葛西の水族館はあまり混んでいなかった。ゆっくりと展示を見て、ヤドカリやペンギンさんと遊んできた。冷房と暑さの繰り返しで、体が疲れてだるくなった。
おまけは、日本最大級の「花とダイヤの観覧車」。地上からの高さは、130メートルほど。わたしは高所恐怖症である。写真を撮るため、東京湾とディズニーランドの方角にスマホを向けたが、下界を見下ろすと足がすくんでしまう。「わんすけ、こわいんだ!」とさらに笑われてしまった。
息子たち家族は、今夜は船橋に移動する。船橋には、嫁の奈緒さんの実家がある。真継君の家族4人は、「ライオンキング」の映画鑑賞へ。夕飯は、わたしたち夫婦だけになる。つかの間の休息だ。
昨夜は、10人家族になったうれしさで、わたしが大はしゃぎをしてしまった。神戸組が4人、旧津田組(二階の住人)が4人、わたしたち夫婦が2人。一階は、リビングダイニングと6畳の小上がりの部屋だから、ごく狭い空間だ。そのスペースを孫たち4人が、大はしゃぎで走り回っていた。
年齢を重ねると、涙もろくなるものだ。三家族の貴重な時間。楽しいひと時。孫たちの成長を見守りながら、こうして年老いていくのだろう。孫たちとの夏休みも、あと3日あまり。残念ながら、わたしは明日からの2日間(12日~13日)は、沖縄出張になる。東京に戻ってくる日は、孫たちが神戸に帰る前日になる。