お花の定期宅配便(Bloomee Life)の会員数が、2年半で1.5万人を超えていました

 Bloomee Life(花の定期便)を運営しているのは、「㈱CruchStyle」というITベンチャー企業。CEOの武井亮太さんには、インパックの守重知量会長のご紹介で、5日前(3月20日)に研究室でお会いしました。30代の若者が1億円を調達して始めた花の会社が、2年半で会員数が1万5千人を突破していました。



 サービスコンセプトは、「お花のある暮らしで、毎日にちょっとした感動を」。毎週あるいは隔週で、自宅のポストに封筒入りのお花を届けてくれるサービスです。驚いたのは、WEB(PC、スマホ)からお花の定期宅配サービスに申しこむ人の8割が、初めてお花を購入する若い女性だそうです。このサービスは、花業界として画期的な成果だと思います。
 お花のボリュームと価格のちがいで、3つのプランから選べます。いずれも、宅配に送料250円が別途にかかります。①レギュラープラン(800円、4本以上)、②プレミアムプラン(1200円、5本以上)、③体験プラン(500円、3本以上)。申しむ人数の割合は、①30%、②10%、③60%です。これ以外に、法人向けのサービスもあります。
 これまでも、類似の花の定期宅配サービスはありました。およそ30年前に輸入切り花を12か月間、ご自宅にお届けするプレゼントサービスなど。しかし、個人の日常使用に絞ったサービスのどれも成功していませんでした。ビジネスとして継続できれば、おそらく日本初のことになります。
 
 このサービス(Bloomee Life)の基本システムは、定期購入(サブスクリプション)を申し込んだご家庭のポストに、花屋さん(すべてが単独店)からお花が届くことです。それも、少し大きめの封筒(縦35センチ×横18センチ)で投函されますが、消費者にはお花屋さんをランダムに割り付けるところがユニークなところです。
 関東圏では、14軒の花屋さんがBloomee Lifeの「花のお届けシステム」に加盟しています(日本全国で80軒)。ポストに花を配達してくれる花屋さんが、ブロックごとに毎回異なるのです。ランダムに割付をする効果について、わたしは狙いは3つだと感じました(*エアークローゼット(天沼聡社長)の「衣料品お届けモデル」から類推した小川仮説)。

 (1)仕入れのバラエティを高める(花屋が同じだと消費者には飽きが生まれる)
 (2)消費者に驚きを提供するため(花の好みがちがうので)
 (3)花屋を評価するシステムが自然にできる(消費者の好みも探索できる)
 最初の仮説(1)は外れていましたが、(2)と(3)は、その通りの狙いだったようです。

 ちなみに、わたしがBloomee Lifeの存在を知ったのは、インスタグラムの知り合いが、「お試しの花」(500円)が届くギフトサービスの写真を見て、彼女にダイレクトに質問したことからでした。広告(ネット)で集客するより、わたしが経験したように、口コミ(「アンバサダー」と呼んでいます)で新規顧客が獲得できているようです。
 月間の新規獲得率が約10%、離脱率が5%弱だそうです。月間で純増が約5%になります。単純に計算しても、年間60%の成長率になります。LTV(生涯顧客価値)と獲得コストの比率は、約3倍です。この数値を見ても、ビジネスとして非常に有望だといえます。
 女性が91%で男性が9%。顧客の年齢割合は、20代が12%、30代~40代が70%、50代が18%。お花を買わないといわれている若い女性の比率が高いことは、業界としても大いに希望が持てます。個人的にも、武井さんの応援したくなります。

 なお、さらに詳しいことは知りたい方、あるいは、Bloomee Lifeからお花を注文したいかたは、<https://bloomeelife.com/>からアクセスをしてみたください。