ウエザーニューズ社の石橋会長とのお別れ会が、本日、千葉県の船橋港埠頭で開かれる。午後5時~7時。船橋港の南埠頭に係留されている元南極観測船「しらせ」にて。洒落もの石橋さんらしく、お別れの会を「船出の会」としていたのは、彼自身の遺言なのだろう。
それにしても、思い出すのは、嶋口充輝先生(法政大学経営大学院教授)に紹介されて、「当世ブランド物語」(誠文堂新光社)を書いた直後の会話である(石橋さんのインタビュー記事は、同著にも登場している)。
わたしが『マーケティング情報革命』のあとがきので、「生涯をかけて、身長の高さ(166センチ)まで本を積み上げることを目標にしたい」と書いた。ほとんどの方からは、「(そんな大それたことを言ったら、)まわりからどんな風に思われるかわからないよ」。否定的なコメントばかりの中で、石橋社長だけが、「小川先生、そりゃ、粋だねえ」と共感してくださった。大人のロマンとジョークが通じるひとだった。
石橋さんの表現は、落語の世界にいそうな、典型的な江戸っ子のしゃべり方だった。そういえば、大田花きの磯村社長と話し方が似ているかも知れない。 惜しいひとを失くしたものだ。
夕方、埠頭からの船出になる。天気がいまいち怪しい。気象情報会社の予報は、夕方から雨である。闇夜の中を旅立つことにならないといいが。
式典ではたぶん泣けてしまうだろうな。純粋に、ロマンを追い求めていたひとだったから。
「世界最大の気象情報会社」になったウエザーニューズ社は、千葉県在住の石橋博良が作った会社である。
しばし、船出に黙祷。