羽田空港、朝4時、旅立ちの日のフライト

 ちょっと変わったイベントに参加してきた。主催者は、黒い機体で知られているSFJ(スターフライヤー)。北九州を拠点に、羽田から福岡や関空に飛んでいる小さなエアラインだ。とはいえ、一度フライトを経験した搭乗者の顧客満足度(CS)は、10年連続で国内ナンバーワン。

 わたしは、JCSI(日本版顧客満足度調査)の調査設計をしたこともあり、同社(スターフライヤー)の機内誌に、「なぜSFJのCSが高いのか?」などを解説した記事を書かせてもらったことがある。
 また、二年に一度、大学院の授業の最後に、羽田空港から北九州空港まで、「ミステリー・パッセンジャー」の調査(素性を隠してサービスをチェックするリサーチ)を実施させてもらっている。
 そのときは、松石社長をはじめ、同社の役員クラスの社員全員が、わたしたちのMS調査を聞くために、日曜出勤してくださっている。意見交換の場所は、北九州空港内の同社の会議室だった。
 そうしたところ、今回は、スペシャルなイベントを羽田空港で実施することを知った。イベント名は、「旅立ちの日のフライト」。
 元旦に初日の出を見るフライトは、他社さんも実施しているはず。北九州空港では、毎年スターフライヤーも実績がある。そのことは知っていたが、本日(3月23日)はそれとはちがう特別な日らしい。
 この日を、スターフライヤーの特任チームが、「旅ちのFlight 2018」と銘打って、全国から111名の搭乗者を集めた。参加の条件は、「その日からの誓い」をはがきに書いて応募すること。「春からもっと輝きたいあなたへ、旅立ちのフライト」というコンセプトである。
 3月23日は、「1粒万倍日」(一粒のタネが1万倍になる)と「寅の日」が重なる縁起の良い日である。前者は、 物事を始めるときに実を結ぶとされる、後者は安全な旅立ちと金運招来が約束される。
 というわけで、昨晩11時に、抽選にあった111名が平和島温泉に集合。音楽やクイズのイベントのあと、バスに便乗。夜中の2時半から4時にかけて、3つのグルーぷに分かれて、羽田空港のロビーに移動した。第一ターミナル第一番ゲート。
 真っ暗闇の中。航空チケットには、名前や座席番号が手書きに近いテープで貼ってある。バーコードのない切符を、最近では見かけることがない「お手製のパーソナライズしたもの」だった。
 いろいろあって、SFJ555便の羽田離陸は、4時20分。切符のもぎりを忘れたチケットがあったために、出発が20分遅れた。そのために、山形上空まで到達できず、福島の手間で房総半島に向った。4時38分すぎに離陸して、左の座席の搭乗者は日の出を拝むことができた。
 機内では、升に入った日本酒がふるまわれた。もちろん、社長のあいさつで笑いをどっとあふれ、キャビンからのあいさつは、ジョークまじり。CAさんのあいさつ(抱負を語る)も、ユニークだった。
 SFJ555便(GoGoGo)だから、同機は5時55分に着陸したかったのだろう。しかし、3分早く5時52分に滑走路に滑り込んだ。