学習院の上田さんに頼まれて断り切れず、学会で基調講演をすることに。マーケティングカンファレンス2017は、「ナショナルブランド・メーカーにとって国内ローカル戦略は何が最善なのか?」がテーマです。学会活動は卒業のつもりでしたが、今年は、日本商業学会でも講演者に指名されています。
「テーマ:ナショナルブランド・メーカーにとって国内ローカル戦略は何が最善なのか?」
日 程:2017年10月22日(日)
会 場:早稲田大学・早稲田キャンパス 8号館 >MAP
受 付:8号館 B1階
懇親会:リーガロイヤルホテル東京 3階 ロイヤルホールⅠ >MAP
カンファレンス担当
カンファレンス委員長:上田 隆穂(常任理事/学習院大学 経済学部 教授)
カンファレンス副委員長:内田 和成(副会長/早稲田大学ビジネススクール 教授)
懇親会委員:海野 浩三・白井 明子・清原 康毅(サロン委員/法政大学MBA 西川英彦研究室OB・院生)
上田隆穂解題 「ナショナルブランド・メーカーにとって国内ローカル戦略は何が最善なのか?」
上田 隆穂(カンファレンス委員長/常任理事/学習院大学経済学部 教授)
『日本の大手メーカーは、その視点をグローバル化させ、常に世界市場でどうシェアを拡大化させるかに腐心している。その一方で、やはり国内市場は重要であり、企業のベースを支えるためには手を抜くことはできない。しかしながら、大半のメーカーは、そのベースとすべき国内市場では成熟化の中で差別化出来ずに苦しんでいる。 この成熟化した国内市場で生き残るため、あるいは成長するためにはどういう戦略が必要なのか。それは標準化対応でよいのか、あるいはローカル対応なのであろうか?一般的に小売業の対応はローカル対応を充実化させる方向を目指しており、地域にファンを拡大し、地域密着の姿勢を色濃くしている。翻って、大手メーカーの対応はどうであろうか?一部には地域自治体とのコラボレーションを行い、地域のファンを獲得するというwin-winの戦略を採っている。しかしたいていはローカル対応を十分に行っていないように感じ取れる。本カンファレンスでは標記のテーマにフォーカスし、ナショナルブランド・メーカーにとってどういう国内ローカル戦略が最善なのか等大いに議論を盛り上げたい。
<プロフィール>
学習院大学経済学部教授。博士(経営学)。マネジメント・スクール所長兼任。
1953年三重県生まれ。東京大学経済学部卒業後、(株)東燃を経て一橋大学大学院に進み、86年学習院大学へ。近著に『生活者視点で変わる小売業の未来 ~希望が買う気を呼び起こす商圏マネジメントの重要性~』(宣伝会議2016)。
榊原健郎氏基調講演①「日用消費財メーカーにおける国内事業戦略の方向性」
榊原 健郎(ライオン株式会社 取締役上席執行役員)
日用消費財メーカーのライオン株式会社が現在進めている中期戦略「Vision 2020」では、その戦略骨子の一つを「国内事業の質的成長」としている。国内日用消費財の市場は、昨今数量の伸びは鈍化しつつあるも、単価の微増により、市場金額の微増が続く状況にある。これは、付加価値型製品へのシフト及び大容量高単価品の増加によるものと考えられる。しかしながら将来に向けては、人口減少が続き、世帯数もこの先減少が見込まれ、かつ超高齢化社会がさらに進むのが必定といわれている。こうした国内市場の先行きを見据え、地域ファンの獲得含めどのように国内事業の戦略の方向性を考えているのか、その概要をお話したく思う。
<プロフィール>
ライオン株式会社 取締役上席執行役員。
1983年4月ライオン株式会社入社後、経営企画部長、リビングケア事業部長を経て、2010年1月より同社執行役員ヘルスケア事業本部長。2012年1月より同社執行役員 兼 ライオン商事株式会社 代表取締役社長、2016年4月より同社取締役 上席執行役員(経営戦略本部分担、薬事品質保証部等担当)。2008年4月より学習院大学経済学部非常勤講師、博士(政策研究)。
小川孔輔氏基調講演②「ナショナルメーカーの地域対応戦略:ローカル志向の商品開発と供給体制が組めるか?」(仮)
小川 孔輔(法政大学経営大学院 イノベーションマネジメント研究科 教授)
ゲマワット教授が提唱したCAGE理論(『コークの味は国ごとにちがうべきか?』)を、「セミローカリゼーション」という概念に置き換え、全国メーカーによるローカル対応の可能性について考察する。議論を単純化するために、対象を食品分野(小売業と飲食店チェーン)に限定する。NBメーカーが取引相手として重要な食品スーパーとコンビニエンスストアならびにファストフード店は、食材の調達加工に関してローカル対応をせざるえない状況にある。ローカル対応のモメントを、ローカルな消費文化の違い(Culture)、垂直的なチャネル管理の必要性(Administration)、ロジスティック上の地理的な隔たり(Geographical)、製造ロットサイズと販売効率(Efficiency)から説明する。
<プロフィール>
法政大学経営大学院 イノベーション・マネジメント研究科 教授。
1951年秋田県生まれ。1974年東京大学経済学部卒。1978年同大学院中退後、法政大学経営学部研究助手。1986年同学部教授、2000年より日本フローラルマーケティング協会会長、2004年より現職。2016年7月より農水省生産局の国家プロジェクト「NOAF」代表幹事。
八塩圭子氏基調講演:司会、パネルディスカッション コーディネーター
八塩 圭子(フリーアナウンサー、東洋学園大学 現代経営学部 准教授)
<プロフィール>
上智大学法学部卒業。テレビ東京で10年務めた後フリーアナウンサーに。法政大学大学院社会科学研究科経営学専攻マーケティングコース修士課程修了。関西学院大学商学部准教授、学習院大学経済学部経営学科特別客員教授を経て、2016年4月から東洋学園大学現代経営学部准教授。報道番組司会、コメンテーターなど多数。
*詳細なプログラムや参加方法については、学会のHPをご覧ください。