昨年度に続いて、マーケティング論の【テーマ討議3】は、「日本の農業の未来をどのようにデザインすべきか?」である。グループで議論する課題は、農業の未来設計である。サブ質問は設定しない。農業の未来を制度設計してもらいたい。討論のためのデータは、授業時間に配布する。
データの要約は、つぎのようになる。参考まで、、、図表は木曜日に配布する。
<要約>
生産、流通、輸入、消費の長期趨勢から見て、野菜は供給量が減り、価格は上がっていく可能性がある。
現在、農業従事者の6割が60歳以上、特に「基幹的」農業従事者では、すでに約8割が60代以上で、 5年程度で生産に大きな影響が出るのではないか?気候変動や異常気象の影響を除いても、調達はもっとたいへんになるのでは?
<国内生産>下落、輸入で補って供給は 横ばい
・生産者は40年で4分の1に(1976—2016年)
離農率を試算すると、 年 5.5%(2011-16年平均)、新規就農率 1.4%
・6割が60歳以上
基幹的従事者では、2014年段階で78%が60代以上、増えている層は75歳以上だけ
(85歳以上も増えている)
・新規就農者も、実は 半数が60代以上(団塊世代の引退の影響か?)
・米麦豆畜産農家は急減、野菜農家も10年で13~15%減
・農家減少に伴い、1戸あたり で養っている人口数は増加する
2016年現在、人口比で試算してみると
露地野菜で 980人(14% 増=2006ー16年比)
施設野菜1760 人(32% 増)、 酪農 8300 人(49% 増)
<流通>卸売数量横ばい、価格は卸売も輸入も上昇傾向
・卸売数量は価格は、波があるが、近年は価格が上がっている
2015年は、野菜の卸売価格がキロ当たり220円で、過去最高になった
・輸入価格も 上昇している
2000年→2015年(貿易統計)で、 野菜合計(キロ当り円)は131 円から176 円に
<消費>微増、品目によっては大きく伸びる
・1人当たり野菜消費は、近年 微増か(外食中食は未調査のため不明)
・白菜、大根など 重量野菜は減る一方、レタスやニンジンは、長期的に増加
データではまだ見えにくいが、おそらくトマトもここ数年で増えているのでは?