『新潮45』の次回作は、7月発売号に、「社長はつらいよ」のタイトルで掲載します

 『新潮45』ではじまった不定期連載は、いずれ新書『経営学の大罪(仮)』になる予定だ。これまで4回(マクドナルド、TDR、社外取締役不要論、ローソンVSセブン)。次回は、「社長はつらいよ」に決まっている。先週の火曜日、吉澤編集委員と青木とブレーンストーミングを行った。

 「社長はつらいよ」のテーマは、3年前からわたしが温めていたテーマである。カインズの土屋社長から聞いた同窓会での小話がヒントになっている。どのタイプの社長がいちばん仕事面で辛いのか。ペーソス溢れる、笑い話である。
 辛くない順番でいえば、①創業経営者、②二代目経営者、③生え抜き社長、④プロ経営者。そして、一番つらいのは、⑤娘婿の順になる。しかし、社長としてもっともパフォーマンスが高いのは、それとは逆で、⑤の娘婿が会社のトップに就いた場合である。
 「入り婿」の制度は、世界的に見ても日本に独特な制度らしい。この結果(老舗の経営によく見られる娘婿の事例)は、学術研究でも明らかになっている。ファミリービジネスに関する、国際的なリサーチもたくさんある。 
 つかみの娘婿の話は、同名のブログを参照ください。
 今回の構成は、つぎのように展開する予定になっている。以下は、わたしたちのブレストメモである。わたしは、このようにして記事や論文を書いている。舞台裏を開示してみる。
 <社長はつらいよ> 
1 全体の構成
 ・つかみの小話(同窓会での会話、個人的な幸せと娘婿のパフォーマンスの矛盾)
 ・社長の5つのタイプ(創業経営者、プロパーの生え抜き、二代目後継者、娘婿、プロ経営者)
 ・学術研究 娘婿がもっともパフォーマンスが高い
 ・プロ経営者受難の時代
 ・経営の継続を前提としないベンチャーのカルチャー
 ・社長業に耐えられる人間性は、社会的なミッションや特殊な宗教観によって支えられる
 結論:理念やつながり、メンターや仲間がいて、将来の見通しがあれば、辛い社長業も辛くなくなる。
2 トピック
(1) ケース
 ・資生堂の事例
   福原さん(ファミリー)→生え抜き(前田さん)→生え抜き(経営の失敗)
   →出戻り(前田さん、再登板)→プロ経営者(落下傘型、魚谷さん)
 ・三洋(技術あり、マネジメント)
   創業家→2代目→野中ともよ→混迷 売却
 ・流通サービス業の継承パターン
   流通はフォーマット勝負、技術や目に見えるものがないことが特徴
   なので、一般的には2代目が成功しないケースが多い
   例外:イオン(岡田さん)とカインズ(土屋さん)
      老舗の商家は、SPA型(物あり、暖簾あり)たとえば、虎屋  
 
(2)継続前提/エグジット
 ・継続前提=大企業、老舗
 ・継続は前提ではない=ベンチャー、連続起業家→IPO、売却で富、キャピタルゲイン
(3) プロ経営者受難の時代
 ・落下傘型プロ経営者
  受難の時代、社内の基盤脆弱
  株式も資本のバックもない
 ・苦労多いわりに、日本人経営者は、意外と報酬高くない
 ・日本的賃金体系
  =日本企業の海外進出のネックの一つ(現地化難しい 人材競り負け)
 ・それなのに、なぜプロ経営者か?
  西洋人などは高報酬で気持ちが維持できる
  日本では?
  「自分の成長」「ローソンをよくしたい」(玉塚さん→最後のページに発言引用あり)
  「ミッション」(スターバックスジャパン 岩田さん)
 ・ミッションは、他のタイプの社長に通じる
3 異説:なぜ、娘婿は社長業に耐えられるのか?
 ・官僚出身、エリートに向く
   創業者より、「マネジメント」が得意
   モチベーションは、プロパーの社長ではできない
   大きな仕事を、短い時間にやり遂げることができる
   出世の階段を一挙に駆け上がることができる
 ・数字上げていく楽しみなどは、受験勉強と同じだ
4 人材輩出企業
  リクルート 制度的スピンアウト
  イトーヨーカ堂 流通業にたくさんの企業家を輩出
  マクドナルド フードビジネスに優秀な経営者を輩出
  ライオン おなじく非関連分野で起業家を生みだす
   花王はたたき上げ、ライオンは2番手で出ていく人材
   高橋社長 通産省局長出身 
  日産 ゴーンさん
5 社長業を支えるエコシステム
(1)会社、経営塾
   稲盛さん、船井さん
(2)米国などでも、ベンチャーのエコシステムが存在
(3)大学も起業家のエコシステム 
   先生と仲間
(4)流通業は、メンターとして渥美先生(ペガサスクラブ)
 ・業界の方向感覚、目指している方向が共有されている、支えあう仲間たち
 ・JC 自民党、ロータリー
 ・孤独を紛らわす仕組み、資金も人脈で付いてくる