女子大が、性同一障碍者に門戸を開くか?

 来年度から、京都女子大で授業を持つことなった。また、娘の知海が務めている京都のホテルグランヴィアは、日本で最初に同性婚を挙行した企業として名高い。LGBTの先進事例になっている。そこに、わが実妹の母校である日本女子大が、性同一障碍者を受け入れるかどうかの検討をはじめることなった。

 

 保守的なお嬢様学校として知られている「日本女子大」が、LGBTについて討議するのは、実に画期的な出来事だ。しかも、生徒として受けいれるかどうかを検討するというのだから、時代は変わったものだと思う。

 世界の潮流は、LGBTに市民権を与える方向で動いている。トランプ大統領がどのように発言しようが、この流れは変わらないだろう。そもそも、この一件は、「女子大」という制度の存在意義に対しても、一石を投じかねない。その意味では、小山副学長をはじめとした日本女子大の勇気に、敬意を表したいと思う。

 結論がどうであれ、名門女子大が、「戸籍上は男子で生まれながら、生活は女子である児童を受け入れるかどうか」の検討委員会を設置したことには、社会的にも意義がある。個人的にも、同大学の今後の動向を見守りたいと思う。「朝日デジタル」の記事を引用させていただくことにする。

 

 ちなみに、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーを略して、「LGBT」と呼ぶ。電通ダイバーシティ・ラボ(東京)が行った国内の成人約7万人を対象にした調査(15年)では、LGBTなど性的少数者に当たる人は全体の7・6%。トランスジェンダーは0・7%とされる(この数値は、「朝日デジタル」からの引用)。

 わたしが、約30年前に、カリフォルニア大学に留学した頃は、GLBT(英語では、ゲイからはじまるので、GとLを逆転させて、このように表現する)の割合は、10~20%だと言われていた(ゲイの友人から聞いた概数)。日本でも、実態的には10%程度は存在するようだ。

 日本人の中にも、潜在的には10%程度は、LGBT群に属する男女がいることになる。その意味では、LGBTはもはや性的少数者(マイノリティ)ではなくなっているのかもしれない。

 

 

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 朝日新聞デジタルの「「体は男、心は女性」入学可能に? 日本女子大が検討へ」(2017年3月19日23時07分配信)というオンライン記事によると、
  
 日本女子大学(東京都文京区)が、男性の体で生まれたが、女性として生きるトランスジェンダーの学生を受け入れるかどうかの検討を新年度から始める。体の性別を入学の前提にしてきた女子大だが、さまざまな性のあり方への認識が広がる中、生物学的に男性に生まれた人にも門戸を開く可能性が出てきた。

 伝統校の日本女子大が議論を始めることで、他の女子大に影響を与える可能性もある。文部科学省と同大は「他の女子大で、同様の動きがあるとは聞いていない」としている。 

 検討のきっかけは2015年末、神奈川県に住む小学4年生の保護者からの問い合わせだった。この児童は戸籍上は男子だが、性同一性障害と診断され、女子として生活している。同大や付属校の入試の出願資格には、「女子」との規定があるが、同大付属中の受験を希望していた。

 

 これを受け、同大は16年8月、付属の幼稚園、小・中・高校、大学の学部代表らで「LGBTに関する検討プロジェクトチーム」(座長・小山(おやま)聡子副学長)を設け、議論した。「多様な学生を受け入れるべきだ」という積極論の一方、「学生や生徒、保護者、教員の理解が浸透しているとはいえない」などの慎重論もあり、同年10月末、現段階では受け入れは難しいと結論づけた。

 だが同時に、まず大学で受け入れをめぐる検討を先行させることも決め、11月に保護者に伝えた。新年度に学内に会議を設け、すでにいる性的少数者の支援も含め、受け入れの可否を検討する。女子大の中には、戸籍の性別を女性に変更すれば入学できるところもあるが、20歳以上や性別適合手術などの要件があり、ハードルが高い。女子大が仮に受け入れを決める場合には、医師の診断など具体的な要件をどうするかが課題になる。 

 

 米国の女子大の中には、男性として生まれても女性と自認していたり、女性として生まれたが女性とも男性とも自認していなかったりする「多様な女子」を受け入れるところがある。

 小山副学長は「『女子とは何か』の判断基準の検討は、女子大の価値や存在意義を考えることに重なる。社会的な弱者を支え、多様性を重んじる米国の女子大の方針はすばらしいと思うが、まず、学生や保護者らの声を聞き、多角的に議論したい」と話している。(編集委員・氏岡真弓、杉山麻里子)

 

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 〈トランスジェンダー〉 体と心の性が一致せず、自らの性に対し「違和」を持つ人。病院で「性同一性障害」の診断を受ける人もいる。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルとともに「LGBT」に含まれる。電通ダイバーシティ・ラボ(東京)が行った国内の成人約7万人を対象にした調査(15年)では、LGBTなど性的少数者に当たる人は全体の7・6%。トランスジェンダーは0・7%とされる。

 

http://www.asahi.com/articles/ASK355DBXK35USPT00C.html