靖国神社で昨日、境内の桜が開花したという報道があった。例年より5日ほど早く、つぼみが開いたらしい。東京のさくら標本木は靖国神社にある。こうして桜の便りが届くころになると、亡くなった美代子おばさんのことを思い出す。伯父さんと東横線の元住吉で暮らしていた。
5年前のいまごろ、久しぶりにお墓参りに行った。散り際のころで、花吹雪を浴びて墓参りから帰った。菩提寺は、横浜の豊顕寺。
かみさんと二人で行った日のことを、「豊顕寺の桜吹雪: 美代子おばさんのこと」というブログに残してある(2012年4月3日、初出掲載、http://kosuke-ogawa.jugem.jp/?eid=2124#sequel)
おばさんは、三味線の御師匠さんだった。癌で亡くなる直前に、後生大事にしていた三味線を、わたしの白井の家に預けて逝った。亡くなってからもしばらくは、預かった二棹ともに、一階の和室に飾っておいた。それを眺めながら、いつかチャンスがあれば、わたしも三味線を習いたいものだと思っていた。
わたしが三味線を習う前に、縁あって、かみさんの知り合いが貸してほしいと言ってきた。そのままにしておくのも、もったいない。そのうちの一棹を、貸し出すことにした。
借り手は、美代子おばさんと同じで、三味線のお師匠さんをしているお姉さんらしかった。年のころは、よくわからない。ずいぶんと小粋な名前で、小春さん。小春さんと呼ぶだけで、なんだか三味線のすてきな音色が響いてきそうだ。
その小春さんから、かみさんのところに、先日メッセージが届けられた。昨夜、かみさんと桜の開花話をしていたからだろう。縁があるものだ。思い出したように、今朝になって、出勤途上の電車の中にいるかみさんから携帯にメールがきた。
「そういえば先日、お三味線師匠の小春から、美代さんといつも一緒よ!(^-^)vとメッセージがありました」(まさえさん)
「横浜に行かなくては」(わたし)
「あのお三味線はまだまだ現役で活躍しているそうです。いいことをしました」(まさえさん)
今年こそは、4年ぶりにお墓参りをしようかな。遠い時間に、思いをはせて。