大学院の松本先生が、12月の教授会が始まる前に、エントリー選手の持ちタイム表(1万メートル)を持ってきた。予選会は4位通過だったが、本戦で法政大学は大いに健闘する可能性がある。データは正直だ。松本さんの予測はぴたりと当たった。法政は復路8位に躍進、みごとにシード権を獲得した。
法政大学の大健闘は奇跡ではない。データが示すように、実力通りなのだ。1万メートルの持ちタイムが、大学の長距離で活躍できる「58分台」の選手がけっこうたくさんいるのだ。
飛びぬけて速い選手がいないので話題にならなかっただけで、予選会の順位(4位)を見ても、10人のランナーの平均タイムは立派なのだ。下馬評では、わが校は予選会の通過が危ぶまれていた。箱根の結果は、見ての通りだった。
2017年箱根駅伝の総合順位(タイム)と2016年のゴールタイムを比較すると、法政大学は来年(2018年)の箱根でがさらに上を狙えるところに来ていることがわかる。ネットに書き込まれていた「下馬評」とはちがって、法政大学の駅伝チームのシード権獲得は、フロックではないという分析の結果以上に、この先の希望的観測が予測できる。
二日間のレースは、TVで見ていると青山学院大学が圧勝したように見える。しかし、2016年との比較では、7区の選手のブレーキがあったにして、青学の優勝タイムは10分45秒ほど悪くなっている。安定はしているものの、選手の平均能力は明らかに落ちている。2位の東洋が、昨年と同じタイム(11:00:36)で走っていれば、青学は二位(11:04:10 )に沈んでいたはずである。
ゴールタイムで見てみよう。2位(東洋)から4位(順天堂)までの上位三校、および6位(中央学院)と7位(日体大)はすべてタイムを落としている。9位の駒沢に至っては、12分13秒のタイムオーバーである。やや高めの気温を言い訳にはできない。
というのは、どの大学も大幅にタイムを落としている中で、5位の神奈川と8位の法政は、前年度からタイムを縮めているからである。昨年19位でシード落ちした法政に至っては、なんと15分16秒の記録短縮である。
この記録は、法政大学の駅伝史上ベストレコードである。法政の駅伝チームが、一挙に15分以上の短縮を一年で達成したのである。ランナー当たり平均短縮時間では、1分30秒(距離平均は20KM+)。1万メールで換算すると、これは全員が45秒記録を伸ばしたことと同値である。まさか10人の選手全員がたまたま好記録で走れるはずがない。
さらにうれしいことがある。好タイムを出した選手は、全員が1年生と2年生である。このことからも、来年の法政大学はかなり上位を狙えることはまちがいない。トップの青山学院大学に追いつくのは無理としても、2位の東洋大学とはわずか4分25秒差である。
わたしの予想(希望)では、3位に入着することも夢ではない。史上初の2位も全くない話でもない。
<参考> 2017年箱根駅伝上位チームのタイム
順位 チーム 2017年記録 2016年記録
1 青山学院大学 11:04:10 10:53:25
2 東洋大学 11:11:31 11:00:36
3 早稲田大学 11:12:26 11:07:54
4 順天堂大学 11:12:42 11:11:24
5 神奈川大学 11:14:59 11:20:07
6 中央学院大学 11:15:25 11:13:31
7 日本体育大学 11:15:39 11:11:32
8 法政大学 11:15:56 11:31:12
9 駒澤大学 11:16:13 11:04:00
10 東海大学 11:17:00 11:09:44
11 帝京大学 11:20:24 11:15:21