自宅と職場の駅間より、電車の停車位置が重要だった!

 森下に移住して二週間。行ったり来たりの毎日だが、今日は2日ぶりで千葉の自宅に戻っている。あたりまえのことだが、乗換駅が変わると、見える風景も変わる。つくづく思うのは、人間の意識は視覚に支配されているということだ。行動は見える風景によって変わるようだ。



 都営大江戸線は、プラットホームまで深く降りていくので不便。できれば避けたい路線の一つだった。ところが、白内障症の手術を受けたのが赤羽橋の三田病院。都営浅草線の大門駅で乗り換えてから一駅。大江戸線が便利なことがわかった。山手線の外側と内側で、環状に都内をめぐっている。使い勝手が悪くはない。
 今度の引っ越しで、森下駅が日常的な行動の起点(ハブ)になった。森下には、都営の二線が乗り入れている。大江戸線と新宿線だ。しかも、新宿線の場合は、急行が森下に停車する。法政大学がある市ヶ谷からは、各停では6駅だが、急行だと3つ目の停車駅になる。
 市ヶ谷と森下の駅間は10分。ドア・ツー・ドアでもわずか18分。運が良いことに、乗降位置が市ヶ谷(法政寄りの改札口)と森下(A5出口)ではおんなじなのだ。駅のホームや通路をほとんど歩かなくてもすむ。千葉の自宅に戻るときも、乗り換えのロスタイムがほとんどなく、最短時間で帰宅できる。

 このような便利さは、引っ越してはじめて気づいたことだった。移住先を選ぶときは、家賃や駅までの距離を重視する。当然のことなのだが、通勤時間に影響を及ぼす重要な要因は別にあった。電車を降りる所から改札口までの距離や、乗り換えのために必要な時間距離である。
 スマホの「乗り換え案内」では、歩く距離が表示されていない。しかし、場合によっては、同じ駅名の別の路線に乗り換えるより、別の駅名だがより近い乗り換え駅があったりもする。半蔵門線や都営新宿線などには、そうしたケースが多くみられる。乗り換え案内では、乗り換え時間や便利な乗り換え駅を表示してほしい。
 話がずれてしまった。先月から森下駅(大江戸線)が乗降駅になったおかげで、上野や御徒町が近くなった。都営新宿線は京王線に乗り入れているのでもともと便利だった。それが、新宿三丁目で乗り換えれば、東急東横線が一跨ぎになる。自由が丘や横浜が40分~50分圏内になった。大江戸線は環状線だから、両国経由で麻布十番まで。この方向も行きやすく便利になった。
 
 整理すると、ショッピングや飲み屋街に近くなったということらしい。これまで、郊外に延びる路線で暮らしてきたのが、今度は環状線に住まうことになった。電車内での沈没はなくなったようだが、今度はお店で沈没の気配が漂っている。どうやら、これまでとは心配の種がちがってしまったらしい。