世界的に著名な建築家の安藤忠雄氏のインタビュー記事が、『日経ビジネス』(オンライン版)から配信されてきた。標記のような見出し記事である。インタビューアーは、江村英哲氏(日経ビジネス記者)。安藤さんの語りの最後に、青いリンゴの話が出てくる。岩田弘三会長((株)ロック・フィールド)とのインタビューでも出てきたリンゴのことだ。青いリンゴは、青春のシンボルである。
安藤忠雄氏は、2009年と2014年の2回、ガンの手術を経験している。それはそれは壮絶な手術で、胆のう・胆管から十二指腸、膵臓に脾臓と5つの臓器を全摘している。それでも、いまだに第一線で活躍できているのは、つねに戦う姿勢で仕事に対峙しているからだろう。
ご本人の言葉によれば、「仕事とは、生きることとは、“闘い”ですよ。生命力が弱くては闘えませんから。体力、健康を保つことはとても重要なことなんです。その“闘い”においては、私はずっと「暴走族」でありたいと思っているんですよ」(インタビューから)。
そして、インタビューの最後に、つぎのように述べていた。安藤さんは、いろんな場所に、青いリンゴ(のオブジェ)を配って置いてある。たとえば、ロック・フィールドの神戸本社の4階、「風の回廊」の突き当りの正面など。
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「こども本の森 中之島」の川を望むテラスには大きな青いリンゴのオブジェを設置しています。「リンゴも人間もずっと未熟な青いままがいい」という青春の心のシンボルです。大人だって目標を掲げて進む限りは、何歳であっても青春を生きることができる。人生100年時代というくらいですから、年齢は問題ではないでしょう。青春は若者の特権ではないんです。だから、パンデミックを前に意気消沈する必要なんてない。そう私は感じています。(https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00181/090200026/)
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いつまでも赤く熟することなく、青いリンゴのままでいたい。生ぬるい世間と戦う、「暴走族のままで人生を終わりたい」と安藤さんは言っているように感じる。ご本人の壮絶な人生を知っているだけに、学びの多い記事だった。