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コンビニのフランチャイズ契約(FCパッケージ)の見直しに関する提言:〃戚鶸間の短縮、途中解約条項の追加、2談租校抉腓龍化
 本日午後14時に、経済産業省からコンビニの未来に関する報告書が発表される。昨年から組織されている「新たなコンビニのあり方検討会」がまとめたもので、流通分野と労働問題が専門の学者が中心となって、「令和の時代におけるコンビニの革新に向けて」と題した報告書が公になるはずである。

 

 わたしが注目しているのは、その場で、(1)フランチャイズ契約について具体的な制度的な提言が出てくるのかと、(2)本部と加盟店との間で交わされている粗利分配方式(俗に言う「コンビニ会計」)について経産省としての新しい見解が示されるのか。この2点である。すでに、一昨日(2月)まで、議論に加わった研究者の論考が『日本経済新聞』の経済教室(2月3日〜5日)に登場している。

 「コンビニエンスストアの未来」という3日連続のシリーズでは、(上)は「事業収益モデル転換点に」(坂川裕司氏:北海道大学)、(中)は「FC契約のあり方見直しを」(土屋直樹氏:武蔵大学)、(下)では「「日本型」が海外では強み」(鈴木智子氏:一橋大学)が公表されている。この3つの論文は、これから発表される報告書の背景を推測させている。

 (上)は、コンビニ改革の前提に関する歴史的な考察、(中)は、本部と加盟店の在り方について提言を含んだ内容になっている。(下)の議論は、通産省の立場を代弁した海外進出論である。最後のペーパーは、官僚的な政策を持ち上げた論文であまり感心しないが、(上)と(中)の研究者は、コンビニを取り巻く事態の本質をよく見抜いている。

 その中でも、もっとも注目すべきは、(中)FC契約に関する提言を踏まえた土屋氏の論考である。明確に書かれているわけではないが、わたしの見解とも一致している。そして、推測ではあるが、有識者委員会の報告書に登場するであろう内容が垣間見られる。以下では、FCの契約見直しについて、筆者の提言とその背後にあるロジックを説明することにする。

   

 報告書で、提言はやや抽象的な書きぶりで登場するだろう。この点以外は、報告書の内容(AI技術やセンサー・分析道具の導入、ECなど販売方法の革新、組織の在り方など)は、すでに新聞報道や雑誌で取り上げられたものばかりである。

 そこで、わたしからはより具体的な形で提言を試みることにしたい。筆者からの提言は、以下の三点である。すなわち、一言でいえば、「FCパッケージの変更」に関する提言である。

  

〃戚鶸間の短縮

 現状でコンビニオーナーになるには、10年〜15年契約しか選択できない。今起こっている契約に関するトラブルの多くは、基本契約期間を短縮することで解決できる。事業の継続を望まない加盟店が出てきた場合、長期契約を盾に本部は加盟店から違約金を取ろうとする。長期契約に縛られることが、加盟店の立場を弱くしている。

 契約期間を、現状の10年(15年)をやめて「3年〜5年」に退縮すれば、この問題は解決する。アパレルや飲食関係では、契約入居期間は、一般的に3〜5年である。コンビニの場合は、初期に酒屋やコメ屋からコンビニへの転業だった(土地と建物をオーナーが保有)ので、それは合理的だった。

 しかし、サラリーマン経営者がふつうのいまでは、契約環境が変わっている。現行の長期契約(10年〜15年)に、本部もこだわる合理性もない。本部の力が強すぎる現状を見直すことで、加盟店の立場が強化される。つまり個人事業主としてのビジネスリスクが小さくなり、コンビニ業界により参入がしやすくなる。

 

 途中解約条項の追加

 一般に「EXIT条項」といわれる解約条件である。たとえば、新卒社員を採用した場合、一年でやめてしまう学生は10%程度いる。しかし、新卒の退職に対して会社は違約金をとりたてるわけではない。全く状況が同じと考えるのは無理があるにしても、そこから考えると、コンビニの仕事を続けられなくなった加盟店が、本部に多額の違約金を支払うのは不自然な慣行である。

 筆者の主張は、もっと緩い条件を設定することである。すなわち、途中解約を許容するか条件を緩めることである。たとえば、契約から2〜3年を経過したら、違約金が半分になるなどである。あるいは、昨日、朝日新聞のネット記事に掲載されていたオーナー(ローソン大阪)の事例のように、自分の責任ではないところで経営環境が悪化(競争の激化)した場合、EXITの特例を設けるなどである。

  

 2談租校抉腓龍化

 報告書では、新規開業した加盟店が孤独な状態にあることが示唆されている。筆者も取材やインタビューを通して、とくに単独店で家族経営している場合は、オーナーの孤立感をひしひしと感じることがある。地方に住んでいる知り合いで、廃業したコンビニオーナーが増えている。残念ながら、人生をかけた仕事として選んだ結果である。とてもつらい気持ちになる。

 コンビニ業界は10兆円を大きく超えて規模が拡大した。社会的な責任も大きな産業に成長した。地方経済などにも雇用責任がある。だから、コンビニを職業として選んだものに対して、本部は教育研修やその他の金銭的な支援を考慮すべきである。そうでなければ、この先の人材の確保も難しくなる。

 オーナーが儲かっている店を経営できていなければ、社員もアルバイトも雇用できない。生業の場合は、事業継承もままならない。雇用の受け皿のとしての役割も果たせない。

   

 <結論>

 基本は、本部と加盟店の信頼関係を維持することである。産業として誇れる気持ちになれるには、どちらもWin-Winで潤う事業にコンビニという業態を変革していかなければならない。関係性の維持が基本ではあるが、もっと大切なことは、なんらかの制度改革やイノベーションによって、どちらも潤う事業モデルにコンビニのシステムを変えていくことである。

 きれいごとを言っても始まらない。つまるところ、多少はきつい労働ではあっても、経済的に心理的にリターンがあれば、人間は豊かな気持ちで働けるものだと思う。いまコンビニ業界で働いている本部社員とかなりの数の加盟店オーナーは、この業界の未来が見えないと言っている。彼らは、不安な気持ちでいっぱいのように見える。

 そこを突破しないと、この産業に未来はない。経営者の責任が問われている。

 わたしの提言が、業界にとって何らかのインパクトを与えてくれることを期待したい。無理難題を言っているわけではない。いますぐ実行可能な提言ではないかと思う。

| Kosuke Ogawa | 14:42 | - | - | pookmark |

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