昨日は、日本で普通できないような、強烈なブラジルの食事を体験した。ディナーは、サンパウロで人気のイタリアン。ランチは、開店から3日目の焼肉グリル。ルーシーさんと小村さんのセレクトだった。
まずは、リブステーキのグリルの方から。店名は、ジョリーズ・グリル。韓国系の人が店主。サラダはセルフサービス。開店から3日目のレストランらしく、テーブルもフロアも厨房設備もピッカピカ。ついでに、サービスのオペレーションも、笑顔は絶えないが、なんだか動作のほうはギクシャクしている。
いつものように、九人の視察団が午前の視察を終えてビールで乾杯していると、開放されているオープンのキッチン厨房から、ギーン、ギーン、ギーと、チェンソーで石を切削するときのような音がしている。あとでわかったのだか、リブステーキを輪切りにする音だった。
そして、サラダが一段落して出てきたのは、重さが400gはあろうかと思われるリブステーキ。体調が思わしくないわたしは、一瞥して白旗を上げた。骨と脂身を除いて、赤身で硬くないところだけそぎ落としてお終いにする。わずか15分で、わたしのランチはメインが、ジ、エンド。
隣を見ると、インパックの守重さんのお皿は、ほぼ完食状態。いわゆる、リブボーン骨しか残っていない。お見事!完敗でした。やや辛めのスパイスをつけて食べると美味しいとのこと。サンパウロに来たら試してみてください。
ただし、開店から3日目ですから、この先繁盛するかどうかは、まだわかりませんが。たぶん、リブステーキをノコギリ状のカッターで切るのを見せてくれグリルは、他にもありそうです。
お次は、夕食のイタリアン。こちらは、Osteria Generaleという大きなスパゲティ屋さんでした。昼は行列ができてなかなか入れないらしい。ガイドのルーシーさんのお勧めで入ったイタリアンでした。中の装飾は、世界中の国旗が垂れ幕のように飾ってある。
世界中からお客さんが来るから、自分の国やよくわからない国の国旗を探すのが楽しい。ブラジルはホスト国だから、大きい国旗が真ん中に二枚、垂らしてある。日本の国旗は、端っこの方にごく慎ましやかに。ということは、日本人の観光客はあまり来ない店なのだろう。
その通りだった。ルーシーさんの説明によると、この店の味付けが塩辛いので、日本人向きではない。だから、普通のガイドさんはこの店を選ばないらしい。1日の塩の摂取量が、ブラジル人は11gだそうだ。
よくみると、テーブルの上には、お塩と胡椒が置いてない。心臓病や脳溢血になるのを避けるためだ。でも、こんなに塩辛くしていれば、いくら塩をテーブルに置いてなくても、減塩効果はないだろうにと思ってしまう。
さて、ドレッシングで塩辛く味付けした大盛りのサラダを平らげると、スパゲティが登場した。付け合わせは、ポテトにライスだ。サイドメニューとして、チキンを焼いたのが乗っている。やはり皮に塩をたっぷり含ませてある。しかしながら、これが結構美味しいのだ。
圧巻はそのあとにやってきた。赤いエプロンをした給仕さんが、大きなスチールのプレートに、トマトスパゲティを大胆に盛って現れた。いわゆるてんこ盛りである。日本人の感覚だと、9人分をそれぞれ別の皿に分けて持ってくるのだか、ここではそうではない。大皿から、店員さんが取り分けてくれるのだ。
美味しいから、各自の皿はすぐに空になる。すると、どこからともなく店員さんが現れて、素早くてんこ盛りのスパゲティを、大皿から各自の小皿に補給していく。いりません!と断ろうとする前に、その補充事業は終わっている。
盛岡の「わんこそば」ならぬ、サンパウロの「わんこスパゲティ」なのだ。わたしは、もうお腹がいっぱいなので、素早く手で皿をふさぐことができたが、前に座った若者二人は、赤いエプロンからの攻撃をうまくかわせなかった。
守重さんは三回、井上さん(三和陸運)は、2回分余計にお腹が膨れてしまったようだ。今朝は、お腹を壊さず、無事にロビーに現れるだろうか?
サンパウロの「わんこスパゲティ」でした。