サンパウロ近郊のガーデンセンターや花店の店頭では、必ず唐辛子の鉢物が置いてある。三寸のポットが標準的なサイズだ。赤と黄色の二色を混植してある。ブラジルぽくって色鮮やかだが、こんなに、たくさん置いてあるのが不思議だった。
答えは、ガイドのルーシーさん(日系3世)から得られた。ブラジルでは、ビメントは魔除けの花なのだ。各家庭に、普通に置いてあるらしく、唐辛子の鉢物を魔除けにして、枯れないよう注意している。
唐辛子は食用ではなく、単純におまじないのための植物なのだ。どことなくカトリックの宗教観と通じるところがあるのだろう。家の中でピメントのポットがうまく育たない場所は、気が悪いのだそうだ。風水を彷彿とさせる。
オランブラの生産者も、唐辛子の鉢物を大規模に生産していた。オランダからの移民だったから、オランダ方式の合理的な栽培方法を採用していたが、一点だけ他の生産者とは違っていた。それは、農薬を一切使用していないことだった。
代わりに、天敵農薬、つまりは、アブラムシなどを食べてしまうフライ( 昆虫)を温室の中に放し飼いにしている。maxima floraのオランダ人農場主によると、ケミカル(農薬)を使用しないことによって、唐辛子が大きく育つらしい。
おそらくは、土壌中の有用微生物が生きられるので、植物の成長を助けるからだろう。魔除けと虫除け。農薬は、魔除け=除虫には効果が薄そうだ。
ところで、maxima floraは、花の環境認証ラベルMPS-GAPを取得していた。水なども循環して使用している。