ニューヨークを経由して、24時間でブラジルのサンパウロに到着した。時差が取れないままに、しかも、飲みすぎ食べすぎて、頭がふらふらだ。胃の調子がイマイチなのは、まったく運動ができないからだ。外を走るのは危険で、このホテルにジムもプールもついていない。
あと二泊、サンパウロでは体を持て余しそうだ。対策を練らねば。先は長い、調整して体調を整えねば。
デルタの夜間飛行便は、結構混んでいた。サンパウロに到着したのは、朝の7時。することもないので、市内で朝市を見学した。日曜日なので、そのあとはカトリックの聖堂を見学に。
この国はプロテスタントが増えているらしいが、イタリアやポルトガルからの移民で始まった国だから、宗教的にはローマ法王の影響下にある。聖堂は豪華で立派だが、広場の前には、ホームレスや麻薬常習者たちがたむろしている。
他方で、路上朝市の周辺などは、閑静な住宅街になっている。貧富の差が激しそうだ。人口は日本と同じくらいだが、国土の面積は日本の23倍ほどある。サンパウロ州だけで、日本がすっぽり入る。人口は日本の約1.8倍(2億人)。
ちなみに、サンパウロは、東京都とほぼ同じくらいの人口規模、1200万人。そのうち、移民してきた日系人が100万人と言われている。ただし、いま私たちが泊まっている地域は、アジア人街に名前が変わった。かつては、日本人街だったのが、韓国人や中国人に侵食されているからだ。
昼の食事前に、時間があったので、1時間ほど、サンパウロ美術館を見学した。斬新なデザインの建物で、周りの緑の風景を上手に借景に取り込んでいる。エントランスの広場では、骨董市が開かれていた。昔どこかで見たことがある、蓄音機や銀食器など、持ち帰ることはできないから、早々に退散し美術館に入った。
驚いたことがあった。他国ではありえないことだが、ここに展示されている絵画は、触ることができる。しかも、レプリカではなく、すべて本物である。
ブラジルの新聞王が、趣味で集めた美術品を展示してある。なぜか、セキュリティがそれほど厳しくない。そして、ガイドさんいわく、世界中の美術品の愛好家がここに来て涙を流すのだそうだ。展示されているルノアールやピカソやモジリアーニが、ガラスの向こう側ではなく、手で触ることができる距離にある。
もちろん、監視員がいるので直接は触れないが、至近距離からカメラで写真を撮ることはできる。わたしも、ルノアールとモジリアーニをスマホで撮影して、ガールフレンドたちにLINEから転送した。
あとで後悔した。マネやモネも撮るべきだった。あまりにふつうなので思いも及ばなかったが、アルバムができるくらいの展示点数はあった。
この国の鷹揚さを感じたのだが、食事なども繊細なところがない、笑。なんとなく、お国柄なのだろう。
さて、3日目の今日からは、視察で動き始める。まずは、オランダ系の移民が始めたオランブラへ。これから、朝の5時に起きて出発になる。いまは、4時半だ。