【JFMAニュース・巻頭言】「店員さんのエプロンに、“Shall we flower?”を発見」(2013年11月号)

 2009年にJFMAとしては再度のチャレンジで、「日持ち保証販売」がはじまった。ヤオコーの新店舗で、日持ち保証ができる品目(日持ち試験済み)からテスト販売をはじめた。


枯れてしまった花へのクレームはほとんど出なかった。売れなかった場合は4日目に廃棄する基準を採用していたので、大量のロスが出るのではないかと心配だった。結果が良かったので、翌年からヤオコーの全店舗(直営店)で日持ち保証販売の導入が決まった。
 2010年からは、農水省の支援で全国への普及を開始。食品スーパーだけではなく、広島や札幌、仙台、神戸他の花屋チェーン、専門店でも実績を積み上げていった。花市場としては、東日本板橋や兵庫県生花、花満の普及への貢献が大きかった。

 テスト導入から4年で、量販店で全面的に切り花の日持ち保証を開始する動きが出てきている。イオングループ(イオンリテール)は、2013年10月から「花もちサポート」というコンセプトで、切り花の鮮度保証販売をはじめている。同社のプレスリリース(10月18日)によると、「本州と四国の総合スーパー「イオン」約270店舗(コンセ除く)において、購入した切花の花持ちを購入日から5日間保証する新サービスを開始した」となっている。最大18種類の鮮度保証販売である。全品が日持ちテストを通った商品ではないが、今後の展開に期待したい。

 そして、11月6日、カインズホーム千葉ニュータウン店(新店)で、「5日間の日持ち保証販売」がスタートした。カインズの日持ち保証販売は、全国展開しているホームセンターとしては、初めての試みである。こちらは、5日間の日持ち保証だけではなく、同時にホームセンターとしてはめずらしく、インショップでギフトなども受け付けている。売り場も、おしゃれな店づくりになっている。食品スーパーのヤオコーと同様に、原則として全品の日持ち保証である。そのことを黒板や看板を使って大々的にアピールしている。
 とはいえ、切り花の日持ちを保証するだけでは、たくさんの顧客に花を訴求することはむずかしい。一緒に、花を購入するショッピング環境を改善してあげなくては商品が売れない。たとえば、売りたい花が浮き立つようにライティングを工夫したり、バケツや木箱の色などにも配慮したり、花を購入することが心地よいことだと気付かせる必要がある。インショップの場合は、接客方法や店員のエプロンまで気を配らないといけない。セルフの場合は、POPやサインが重要になる。

 カインズの千葉ニュータウン店を視察に行って、とてもうれしいことがひとつあった。JFMAでは、会長・副会長や理事の名刺には、ショルダータイトルの“Shall we flower?”( ご存知のように、“Shall we dance?”をもじったフレーズである)が印刷されている。このキャッチコピーが、千葉ニュータウン店の”Cainz Flower Market”の店員さんのエプロンに印刷されていたのである。花店の制服(Tシャツ)に、“Shall we flower?”がプリントされているのを見るのは、これで二度目である。はじめてこのコピーを導入してくれたのは、広島の宮本さんの店舗(花の森みやもと)である。宮本さん(6店舗)は、花の専門店として日持ち保証販売を最初に導入してくれたJFMAメンバーである。ありがたいことだ。