2015年度大学院IM研究科「マーケティング論」(講義スケジュール)

 4月9日から、2015年の「マーケティング論」がスタートした。スケジュールを掲載する。


IM研究科・2015年春学期「マーケティング論」          2015年4月9日

Ⅰ 授業と事前アナウンスメント
1 授業の基本方針
IM研究科の大学院生のために、
(1) マーケティングの基本的な概念と枠組みを講義する。
それだけではなく、基礎概念の応用力を高めるために、
(2) 「事例に基づくクラス討議」(「テーマ討議」)、
(3) 「基礎文献の解説」(資料はデジタル配布)、
(4) 「課題事例の個人レポート」(4本)
(5) 「外部講師による講演と討議」(4本)
を準備することにした。

2 授業運営の仕組み
(1)「通常のレクチャー」:
  ・14回分の<基礎講義>が準備されている。基礎概念を、講義1~講義15で学ぶ。
  ・それに加えて、特論1~特論2が用意されている。
(2)「事例に基づくクラス討議とリサーチ」:
  ・4つのテーマに関して、クラス討議を行う(5~6チーム)。
  ・テーマ事例について、テーマ討議(1)~(4)とする。
  ・テーマ討議1 「マクドナルドの時代は終わったのか」(GRP編成A)、
  ・テーマ討議2 「ユニクロの戦略転換」(GRP編成A)、
  ・テーマ討議3 「日本農業の未来予想図」(GRP編成B)、
  ・テーマ討議4 「アジア事業プロジェクト」(GRP編成B)
(3)「必読文献の解説」
  ・ 各講義について、講義テーマに関連した<必読文献>を指定して配布する。
  ・ 事前に、参考文献・討議資料、必読資料を配布する(電子的に配布)。
(4)「個人課題レポート」
  ・ 4つの事例については資料を配布する。解説した3週間後に、短いレポートを提出すること。A4で1~2枚の長さ(最大3枚)。
(5)「外部講師による講演と討議」
  ・4人の外部講師にレクチャーをお願いする(予定)。
  ・今進行中の”生きた事例”による討議を行いたい。
(6)「学部ゼミ学生のための調査コンサルテーション」
  ・今年度は特別に、学部生(4チーム)の調査プロジェクトのために、
  <GRP編成C>でチーム別にコンサルテーションを実施する(4チーム)

3 テキスト・参考図書(五十音順)
全体のテキストは、*小川孔輔(2009)『マーケティング入門』日本経済新聞出版社。各章ごとに、以下の参考図書を使用する。

<テキスト>
(1)小川孔輔(2009)『マーケティング入門』日本経済新聞社(講義#と章が対応)
(2)J.C.ウズニエ、J.A.リー(小川孔輔・本間大一監訳)(2011)『異文化適応のマーケティング』ピアソン桐原
(3)嶋口充輝他編(1998~1999)『マーケティング革新の時代(1)~(4)』有斐閣
(4)和田充夫・恩蔵直人・三浦俊彦(2006)『第3版 マーケティング戦略』有斐閣
(5)小川孔輔(2011)『ブランド戦略の実際(第2版)』日経文庫

<参考図書>
(1)小川孔輔(2011)『しまむらとヤオコー』小学館
(2)小川孔輔(2014)『CSは女子力が決める!』生産性出版
(3)小川孔輔(2015)『マクドナルド 失敗の本質』東洋経済新報社
(4)桜井多恵子(2014)『スーパーマーケット革命』ダイヤモンド社
(5)山本晶(2014)『キーパーソン・マーケティング』東洋経済新報社
(6)松井剛(2013)『ことばとマーケティング』碩学舎
(7)V・ランガン(小川浩孝訳、小川孔輔監訳)(2013)『流通チャネルの転換戦略』ダイヤモンド社
★(8)生源寺眞一(2013)『農業と人間:食と農の未来を考える』岩波書店
(9)岩崎達也(2013)『実践メディア・コンテンツ論入門』慶應義塾大学出版会
★(10)三谷宏治(2014)『ビジネスモデル全史』ディスカバー21
(11)大宮冬洋(2013)『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』ぱる出版
(12)林廣茂(2012)『味の素のグローバル戦略』同文館出版
(13)小川孔輔(2011)『ブランド戦略の実際(第2版)』日経文庫

<実務家の書籍>
(1)柳井正(2009)『成功は一日で捨て去れ』新潮社
(2)浅利慶太(2013)『劇団四季メソッド『美しい日本語の話し方」』文藝春秋
★(3)福島徹(2014)『福島屋:毎日通いたくなるスーパーの秘密』日本実業出版社
★(4)石川康晴(2013)『アース ミュージック&エコロジーの経営学』日経BP社
(5)茂木友三郎(2013)『国境は越えるためにある』日本経済新聞出版社
(6)久松達央(2013)『キレイゴト抜きの農業論』新潮新書
(7)松尾雅彦(2014)『スマート・テロワール』学芸社
(8)辻中俊樹(2014)『マーケティングの嘘』新潮新書

4 成績評価:
以下をほぼ同等に案分して成績を評価する
 ・授業内の発表・出席(報告、討議への参加発言)
 ・ グループレポート(発表、コメント)
 ・ 個人レポート(課題1~4)

Ⅱ 授業運営スケジュール

1―1 4月9日(1時限) はじめに(授業進行説明)

1-2 4月9日(2時限) 「講義1:マーケティングの基礎概念」(*第1、3章)
<必読文献> 嶋口充輝(2004)「序章 仕組み革新の時代」嶋口充輝他編『仕組み革新の時代-新しいマーケティング・パラダイムを求めて-』有斐閣
 <必読文献> T.レビット(2001)「マーケティング近視眼」
『Harvard Business Review』2006年11月号

2-1 4月16日(1時限) 「講義2:マーケティングの歴史」(*第2章)
 <必読文献> R.S.テドロー・近藤文男監訳(1993)「第1章 消費の時代―アメリカにおけるマス・マーケットの形成」『マス・マーケティング史』ミネルヴァ書房
 <必読文献> 小川孔輔(2013)「石井教授の“マーケティングの知3.0“を妄想する」
        『季刊マーケティングジャーナル』129号

2-2 4月16日(2時限) 「テーマ討議1:マクドナルドの時代は終わったのか」
 <必読文献> 小川孔輔(2015)『マクドナルド 失敗の本質』東洋経済新報社
 <討議資料> 原田泳幸(2011)「マクドナルド経営教室(1)~(4)」『日経ビジネス』

3-1 4月23日(1時限) 「講義3:マーケティング戦略の構築」(*第3、6章)
 <必読文献> 網倉久永・新宅純二郎(2011)「第1、2章」
        『マネジメント・テキスト 経営戦略入門』日本経済新聞出版社
 <必読文献> 岡本智(2003)「第1章 技術のブランディング」法政大学産業情報センター・小川孔輔編『ブランド・リレーションシップ』同文舘出版

3-2 4月23日(2時限) 「テーマ討議2:ユニクロの戦略転換」
 <討議資料> 小川孔輔(2003)「中国への日本ブランド移転物語:ユニクロ中国新国民服構想 優衣庫 in 上海(前・後編)」『Chain Store Age』2003年7月15日号、 9月15日号
 <討議資料> ファーストリテイリング執行役員会配布資料(上海・優衣庫)
 <討議資料> 江尻義久(2013)「ハニーズの経営戦略とグローバル展開」
        (JCSIシンポジウム2013@葉山)
(2014)「ユニクロ大転換(1)~(4)」『日経ビジネス』
 <参考図書> 柳井正(2009)『成功は一日で捨て去れ』新潮社
 <参考図書> 大宮冬洋(2013)『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』

4-1 5月7日(1時限) 「講義4:マクロ環境の分析」(*第4章)
   * アジア・データベース検索(説明) ユーロモニター門坂真理子様

4―2 5月7日(2時限) 「テーマ討議4:アジア事業プロジェクト」
   * 「テーマ討議4:アジア事業プロジェクト」(チーム編成)
 <参考図書> 林廣茂(2012)『味の素のグローバル戦略』同文館出版
 <参考図書> J.C.ウズニエ、J.A.リー(小川孔輔・本間大一監訳)(2011)『異文化適応のマーケティング』ピアソン桐原
<参考図書> 茂木友三郎(2013)『国境は越えるためにある』日本経済新聞出版社

5-1 5月14日(1時限) 「特論1:ブランド戦略」(*第16、18章)
  <参考図書> 小川孔輔(2011)『ブランド戦略の実際(第2版)』日経文庫

5-2 5月14日(2時限) 「テーマ討議1 マクドナルド:グループ発表」

6-1 5月21日(1時限) 「講義5:消費者行動と顧客の分析」(*第5章)
 <必読文献> 小川孔輔(2005)「バラエティシーキング行動モデル」『商学論究』(関西学院大学商学研究会)2005年3月号
 <参考図書> 守口剛・竹村和久(2012)『消費者行動論』八千代出版

6-2 5月21日(2時限) 「特別講義1:マーケティングの真実を見抜く」
   特別講師: 辻中俊樹氏(株式会社東京辻中経営研究所 代表取締役)
   *この講義は、<個人課題1>への話題提供でもある
  <必読文献> 辻中俊樹(2014)『マーケティングの嘘』新潮新書
* <個人課題1> 辻中さんよりお題拝借

7-1 5月28日(1時限) 「講義6:マーケティング・リサーチ(1)」(*第7章)
  <必読文献> 小川孔輔(2009)「第7章 マーケティング・インテリジェンス」『マーケティング入門』日本経済新聞社

7-2 5月28日(2時限) 「テーマ討議2:ユニクロ グループ発表」

8-1 6月4日(1時限) 「講義7:マーケティング・リサーチ(2)」(*第7章)
  <必読文献> 梅沢伸嘉(マーケティングコンセプトハウス)(2005)「第1章、第2章」『グループダイナミックインタビュー』同文舘出版
  <参考図書> 梅沢伸嘉(2003)『消費者ニーズ・ハンドブック』同文館出版

8-2 6月4日(2時限) 「特別講義2:農業の未来をどのようにデザインするか?」
   特別講師: 久松達央(久松農園、経営者)
 <必読文献> 久松達央(2013)『キレイゴト抜きの農業論』新潮新書
 <参考図書> 松尾雅彦(2014)『スマート・テロワール:農村消滅論からの大転換』学芸出版社
* <テーマ討議3> 「日本の農業をどのようにデザインすべきか?」

9-1 6月11日(1時限) 「講義8:新製品の普及と予測」(*第8章)
  <必読文献> 松井剛(2013)『ことばとマーケティング』碩学舎
  <参考図書> 山本晶(2014)『キーパーソン・マーケティング』東洋経済新報社
* <個人課題2> SNS時代の新たな普及モデル
    「橋本環菜の育て方、ふなっしーとともに(仮)」

9-2 6月11日(2時限) 「講義9:製品開発のプロセス」(*第9章)
 <必読文献> 野中郁次郎・竹内弘高(1999)「ラグビー方式による新製品開発競争」嶋口充輝他編『マーケティング革新の時代2 製品開発革新』有斐閣

10-1 6月18日(1時限) 「講義10:価格づけの理論」(*第10章)
 「講義11:価格決定の実務」(*第11章)
 <必読文献> 上田隆穂(2003)『ケースで学ぶ価格戦略』有斐閣

10-2 6月18日(2時限) 「学部生のリサーチ・コンサルテーション」
* 4チームの編成と学部生の発表
   * <個人課題3> 「ANAのブランド構築」
     <課題資料> 鹿野秀考(2013)『最新鋭の翼とやさしいおもてなし:シンガポール航空』(2012年度CSフォーラム 第3回)
      小川レポート(新ブランド“ANA Plus”の提案)

11-1 6月25日(1時限) 「特論2:サービス・マーケティング」(*第17章)
  <必読文献> 小野譲司(2010)「第1章、第2章」『顧客満足の知識』日経文庫
  <必読文献> 南知惠子・小川孔輔(2010)「日本版顧客満足度指数(JCSI)のモデル開発とその理論的な基礎」『マーケティングジャーナル』117号

11-2 6月25日(2時限) 「特別講義3:フィリピンと日本を結ぶ英会話ビジネス」
    特別講師:加藤智久氏(株式会社レアジョブ 代表取締役)

12-1 7月2日(1時限) 「講義12:広告宣伝活動」(*第12章)
  <必読文献> 岩崎達也・小川孔輔(2008)「テレビ番組のプログラム価値マップ
(上)(下)」『日経広告研究所報』2008年8・9月号、10・11月号
 <参考図書> 岩崎達也(2013)『実践メディア・コンテンツ論入門』慶應義塾大学出版会

12-2 7月2日(2時限) 「テーマ討議3 日本の農業の未来図(グループ発表)」
 
13―1 7月9日(1時限) 「講義13:セールス・プロモーション」(*第13章)
  <必読文献> 小川孔輔・ミラー前野和子・野沢誠治(1999)「ブランド・エクイティと景品付きセールス・プロモーション—SPの長期効果についての実証分析」『日経広告研究所報』1999年4月号
 <必読文献> 大槻博(1998)「日用消費財メーカーにみるプロモーション戦略の変化」『マーケティングジャーナル』70号

13-2 7月9日(2時限) 「特別講義4:ランニング市場の開発とサービスの変遷」
    特別講師: 橋本治朗氏(アールビーズ社長)
* <個人課題4> 橋本氏よりお題拝借 (アジアのランニング市場進出)

14-1 7月16日(1時限) 「講義14:代替的チャネルの選択」(*第14章)
  <必読文献> ランガン(2013)『流通チャネルの転換戦略』ダイヤモンド社                
 <必読文献> 住谷宏(2008)「第1章 流通の役割、第2章 流通の主体と客体」『流通論の基礎』中央経済社

14-2 7月16日(2時限目) 「講義15:小売業の経営と店頭管理」(*第15章)
 <参考図書> 小川孔輔(2011)『しまむらとヤオコー』小学館

15-1 7月23日(1時限目) まとめ (*第18章)
 <必読文献> 小川孔輔(2007)「食のSPF」『チェーンストアエイジ』2月15日号

15-2 7月23日(2時限目) 「テーマ討議4 アジア事業プロジェクト(グループ)」
  
 <夏休みの宿題>「個人課題5:劇団四季」(任意) 
 <参考図書> 小川孔輔(2014)「劇団四季」『CSが女子力で決まる!』生産性出版
 <参考図書> 浅利慶太(2013)『劇団四季メソッド『美しい日本語の話し方」』文藝春秋