明日(5月8日)から、2013年の「マーケティング論」がスタートする。昨年度に引き続き、グループ発表4本(テーマ課題)、個人レポート6本(個人課題)を予定している。今年度は、新しく「ABCクッキングスタジオ」の体験後グループ討議と、アジア事業プロジェクト(事業を創造する)が加わった。
IM研究科・2013年春学期「マーケティング論」(2013年5月8日)
Ⅰ 授業と事前アナウンスメント
1 授業の基本方針
IM研究科の大学院生のために、
(1) マーケティングの基本的な概念と枠組みを講義する。
それだけではなく、基礎概念の応用力を高めるために、
(2) 「事例に基づくクラス討議」(「テーマ討議」)、
(3) 「基礎文献の解説」(資料はデジタル配布)、
(4) 「課題事例の個人レポート」
(5) 「外部講師による講演と討議」
を準備することにした。
2 授業運営の仕組み
(1)「通常のレクチャー」:
・14回分の<基礎講義>が準備されている。基礎概念を、講義1~講義14で学ぶ。
・それに加えて、特論1~特論2が用意されている。
(2)「事例に基づくクラス討議とリサーチ」:
・4つのテーマに関して、クラス討議を行う。
・テーマ事例について、テーマ討議(1)~(4)とする。
・テーマ討議1 「ABCクッキングスタジオ」については、体験的な実査を含む
・テーマ討議3 「アジア事業プロジェクト」については、別グル―プの編成とする
(3)「必読文献の解説」
・ 各講義について、講義テーマに関連した<必読文献>を指定して配布する。
・ 5月8日~(文献・討議資料)に、必読資料を配布する(電子的に配布)。
(4)「個人課題レポート」
・ 全部で8つの事例を資料として配布する。そのうちの6つに関しては、解説した一週間後に、短いレポートを提出すること。A4で1~2枚の長さ。
(5)「外部講師による講演と討議」
・ 3人の外部講師にレクチャーをお願いする。
・ なるべく、今進行中の”生きた事例”による討議を行いたい。
3 テキスト・参考図書(五十音順)
全体のテキストは、*小川孔輔(2009)『マーケティング入門』日本経済新聞出版社。各章ごとに、以下の参考図書を使用する。
<テキスト>
*(1) 小川孔輔(2009)『マーケティング入門』日本経済新聞社(講義#と章が対応)
(2) J.C.ウズニエ、J.A.リー(小川孔輔・本間大一監訳)(2011)『異文化適応のマーケティング』ピアソン桐原
(3) 嶋口充輝他編(1998~1999)『マーケティング革新の時代(1)~(4)』有斐閣
(4) 和田充夫・恩蔵直人・三浦俊彦(2006)『第3版 マーケティング戦略』有斐閣
<参考図書>
(1) 安積敏政(2011)『サービス産業のアジア成長戦略』日刊工業新聞社
(2) 渥美俊一・桜井多恵子(2010)『チェーンストアの商品開発-これからの核商品企画と「売れ筋」づくりの基本』ダイヤモンド・フリードマン社
(3) 小川孔輔(2011)『ブランド戦略の実際(第2版)』日経文庫
(4) 小川孔輔(2011)『しまむらとヤオコー』小学館
(5) 松崎哲久(2002)『劇団四季と浅利慶太』文藝春秋
(6) 守口剛・竹村和久(2012)『消費者行動論―購買心理からニューロマーケティングまで』八千代出版
(7) 松井剛(2013)『ことばとマーケティング』碩学舎
(8) V・ランガン(小川浩孝訳、小川孔輔監訳)(2013)『流通チャネルの転換戦略』ダイヤモンド社
<実務家の書籍>
(1) 志村なるみ(2010)『ABC Cooking Studio 女性の心をつかむブランディングの軌跡』朝日新聞出版
(2) 原田泳幸(2011)『勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論』朝日新聞出版
(3) 柳井正(2009)『成功は一日で捨て去れ』新潮社
(4) エイブルリサーチ・ インターナショナル(2012)
『家 買うVS借りる 決断する前に読む本』 幻冬舎
(5) 梅沢伸嘉(2003)『消費者ニーズ・ハンドブック』同文館出版
4 成績評価:
以下をほぼ同等に案分して成績を評価する
・授業内の発表・出席(報告、討議への参加発言)
・ グループレポート(発表、コメント)
・ 個人レポート(課題1~8)
Ⅱ 授業運営スケジュール
1―1 5月8日(1時限) 「講義1:マーケティングの基礎概念」(*第1、3章)
<必読文献> 嶋口充輝(2004)「序章 仕組み革新の時代」嶋口充輝他編『仕組み革新の時代-新しいマーケティング・パラダイムを求めて-』有斐閣
<必読文献> T.レビット(2001)「マーケティング近視眼」『Harvard Business Review』2006年11月号
1-2 5月8日(2時限) 「特別講義1(テーマ討議1):ABCクッキングスタジオ」
特別講師: 志村なるみ氏(㈱ ABC Holdings取締役)
<討議資料> 志村なるみ(2010)「ABCクッキングスタジオの展開について」法政大学IM研究科2010年「マーケティング論」講演録
<参考図書> 志村なるみ(2010)『ABC Cooking Studio 女性の心をつかむブランディングの軌跡』朝日新聞出版
2-1 5月15日(1時限) 「講義2:マーケティングの歴史」(*第2章)
<必読文献> R.S.テドロー・近藤文男監訳(1993)「第1章 消費の時代―アメリカにおけるマス・マーケットの形成」『マス・マーケティング史』ミネルヴァ書房
<必読文献> 小川孔輔(2013)「石井教授の“マーケティングの知3.0“を妄想する」
『季刊マーケティングジャーナル』139号
2-2 5月15日(2時限) 「テーマ討議2: ユニクロとハニーズの中国事業」
<討議資料> 小川孔輔(2003)「中国への日本ブランド移転物語 ユニクロ中国新国民服構想 優衣庫 in 上海(前・後編)」『Chain Store Age』2003年7月15日号、 9月15日号
<討議資料> ファーストリテイリング執行役員会配布資料(上海・優衣庫)
<討議資料> 江尻義久(2013)「ハニーズの経営戦略とグローバル展開」
(JCSIシンポジウム2013@葉山)
<参考図書> 柳井正(2009)『成功は一日で捨て去れ』新潮社
<参考図書> 大宮冬洋(2013)『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』
<参考図書> 安積敏政(2011)『サービス産業のアジア成長戦略』日刊工業新聞社
3-1 5月22日(1時限) 「講義3:マーケティング戦略の構築」(*第3、6章)
<必読文献> 網倉久永・新宅純二郎(2011)「第1、2章」『マネジメント・テキスト 経営戦略入門』日本経済新聞出版社
<必読文献> 岡本智(2003)「第1章 技術のブランディング ”衝突安全技術”のブランドマネジメント」法政大学産業情報センター・小川孔輔編『ブランド・リレーションシップ』同文舘出版
3-2 5月22日(2時限)「課題1: カインズのPB商品開発」
<参考資料> 萩原信之、中島秀彦「カインズのPB商品開発(2011年版)」
(IM研究科2011年春学期「マーケティング論」講演記録)
<参考図書> 渥美俊一・桜井多恵子(2010)『チェーンストアの商品開発-これからの核商品企画と「売れ筋」づくりの基本』ダイヤモンド・フリードマン社
<討議資料> 土屋裕雅・小川孔輔(2009)「カインズ、ブランド化へのチャレンジ」
* 「テーマ討議2 グループ発表」
4-1 5月29日(1時限) 「特論1:ブランド戦略」(*第16、18章)
<必読文献> 長崎秀俊(2003)「コ・ブランディングによるパッケージ効果の研究–サントリーのアド生を用いた実験調査」『グノーシス : 法政大学産業情報センター紀要』12号。
<参考図書> 小川孔輔(2011)『ブランド戦略の実際 第2版』日経文庫
4―2 5月29日(2時限) 特別講義2 「一休.comのCS向上への挑戦」
特別講師2 汲田貴司((株)一休.com 取締役CMO)
<参考資料> 汲田貴司(2012)「「こころに贅沢」を掲げる:一休.comのCS向上への挑戦」(CSフォーラム第1 回)
* 「課題2: 一休のCS向上戦略」
5-1 6月5日(1時限) 「講義4:マクロ環境の分析」(*第4章)
* 「テーマ討議3:アジア事業プロジェクト」(チーム編成)
5-2 6月5日(2時限) 「講義5:消費者行動と顧客の分析」(*第5章)
<必読文献> 小川孔輔(2005)「バラエティシーキング行動モデル–既存文献の概括とモデルの将来展望」『商学論究』(関西学院大学商学研究会)2005年3月号
<参考図書> 守口剛・竹村和久(2012)『消費者行動論―購買心理からニューロマーケティングまで』八千代出版
6-1 6月12日(1時限) 「講義6:マーケティング・リサーチ(1)」(*第7章)
<必読文献> 小川孔輔(2009)「第7章 マーケティング・インテリジェンス」『マーケティング入門』日本経済新聞社
6-2 6月12日(2時限) 「講義7:マーケティング・リサーチ(2)」(*第7章)
<必読文献> 梅沢伸嘉(マーケティングコンセプトハウス)(2005)「第1章、第2章」『グループダイナミックインタビュー』同文舘出版
<参考図書> 梅沢伸嘉(2003)『消費者ニーズ・ハンドブック』同文館出版
7-1 6月19日(1時限) 「講義8:製品開発のプロセス」(*第8章)
<必読文献> 野中郁次郎・竹内弘高(1999)「第9章 ラグビー方式による新製品開発競争 スピードと柔軟性を求めて」嶋口充輝他編『マーケティング革新の時代 2 製品開発革新』有斐閣
7-2 6月19日(2時限) 「特別講義3:賃貸仲介ビジネスと経営者の視点」
特別講師: 平田竜史氏((株)エイブル&パートナーズ代表取締役社長)
<参考図書> エイブル・エイブルリサーチ・ インターナショナル(2012)
『家 買うVS借りる 決断する前に読む本』 幻冬舎
* 「課題3: エイブルの事業コンセプト」
8-1 6月26日(1時限) 「講義8:新製品の普及と予測」(*第9章)
<必読文献> 松井剛(2013)『ことばとマーケティング』碩学舎
<参考図書> 林廣茂(2012)『味の素のグローバル戦略』同文館出版
<参考図書> J.C.ウズニエ、J.A.リー(小川孔輔・本間大一監訳)(2011)『異文化適応のマーケティング』ピアソン桐原
8-2 6月26日(2時限) 「テーマ討議1:グループ発表」(*予定)
9-1 7月3日(1時限) 「講義9:価格づけの理論」(*第10章)
「講義10:価格決定の実務」(*第11章)
<必読文献> 上田隆穂(2003)「日本マクドナルド:スケールメリットを追求する」
『ケースで学ぶ価格戦略』有斐閣
9-2 7月3日(2時限) 「課題4:マクドナルドの価格戦略」
<参考図書> 原田泳幸(2011)『勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論』朝日新聞出版
10-1 7月10日(1時限)「特論2:サービス・マーケティング」(*第17章)
<必読文献> 小野譲司(2010)「第1章、第2章」『顧客満足の知識』日経文庫
<必読文献> 南知惠子・小川孔輔(2010)「日本版顧客満足度指数(JCSI)のモデル開発とその理論的な基礎」『マーケティングジャーナル』117号
10-2 7月10日(2時限) 「課題4:ANAのブランド構築」
<課題資料> 鹿野秀考(2013)『最新鋭の翼とやさしいおもてなし:
シンガポール航空』(2012年度CSフォーラム 第3回)
小川レポート(新ブランド“ANA Plus”の提案)
11-1 7月17日(1時限) 「講義11:広告宣伝活動」(*第12章)
<必読文献> 岩崎達也・小川孔輔(2008)「テレビ番組のプログラム価値マップ 質的評価尺度の活用と番組のライフサイクルマネジメント(上)(下)」『日経広告研究所報』2008年8・9月号、10・11月号
<参考図書> 岩崎達也(2013)『実践メディア・コンテンツ論入門』慶應義塾大学出版会
11-2 7月17日(2時限) 「課題5:フラワーバレンタイン」
<課題資料> フラワーバレンタイン推進委員会WT「2012年報告書」(資料)
12-1 7月24日(1時限) 「講義12:セールス・プロモーション」(*第13章)
<必読文献> 小川孔輔・ミラー前野和子・野沢誠治(1999)「ブランド・エクイティと景品付きセールス・プロモーション–SPの長期効果についての実証分析」『日経広告研究所報』1999年4月号
<必読文献> 大槻博(1998)「日用消費財メーカーにみるプロモーション戦略の変化-1980~1995 マス広告から店頭マーケティングへ」『マーケティングジャーナル』70号
12―2 7月24日(2時限) 「課題6:すだちプロモーション」
<課題資料> 花畑・小川(2011)「徳島すだちプロモーション」『地域研究センター』
13―1 7月31日(1時限) 「講義13:代替的チャネルの選択」(*第14章)
<必読文献> ランガン(2013)『流通チャネルの転換戦略』ダイヤモンド社
<必読文献> 住谷宏(2008)「第1章 流通の役割、第2章 流通の主体と客体」『流通論の基礎』中央経済社
13-2 7月31日 「テーマ討議3 アジア事業プロジェクト(グループ発表)」
14-1 8月7日(1時限) 「講義14:小売業の経営と店頭管理」(*第15章)
<必読文献> 小川孔輔(2011)『しまむらとヤオコー』小学館
14-2 8月7日(2時限目) まとめ
<必読文献> 小川孔輔(2007)「食のSPF」『チェーンストアエイジ』2月15日号
15-1 夏休みの宿題1「課題7:劇団四季」
<参考図書> 松崎哲久(2002)『劇団四季と浅利慶太』文藝春秋
15-2 夏休みの宿題2 「課題8:ランナーズ」
Ⅲ 必読文献一覧
<参考文献・資料>などは、添付のエクセル表を参照