【マーケティング実行論の受講生へ】 「個人レポート」の課題

 水曜日(1月16日)の補講で、後期マーケティング実行論の講義が終わる。3回のグループ発表のクオリティは、わたしが予想していた以上に素晴らしいものだった。個人の評価には甲乙(A・A+)がつけがたい。そこで、最終評価のために、レポートを提出してもらうことにした。



 個人レポートの課題はふたつある。わたしが、欧州視察ツアー(1月19日~25日)から帰国する翌日(1月26日)の夜23時が締め切りである。秘書の福尾(美貴子)のPCアドレスに、レポートを送信のこと。
 それぞれの課題ごとに、ワード原稿(A4)で2枚以内とする。同じファイルに2つの課題を書き込むこと。学生証番号(所属学科を含む)と名前(フルネーム)を絶対に忘れないこと。
 いつものように、添付ファイル付きのメールを受け取ったら、秘書の福尾からは確認のメールが行くはずである。ご安心を。
 大学院生たちへ 最後の奮闘を期待する(受講生全員が、掛け値なしで優秀だった)。

 <課題1>
 これまでのグループ発表の中から一つだけ選んで、わたし宛(自分の上司を想定して)の文章として、「簡易報告書」を作成すること。
  *選択肢(グループ発表していないテーマも含まれている)
  実習(1) 日本マクドナルド 「カウンターからのメニュー表の撤去」(11月16日)
  実習(2) 松川弁当店 「鶏めし弁当」の発売(11月30日~12月2日)             
  実習(3) ビジネスエスノグラフィー 「スターフライヤーへの搭乗と観察」(11月30日~12月1日) 
  実習(4) カインズホーム・SUNAMO 「客数の推定、売り場評価」(1月11日)

 <課題2>
 以下の文章を読んで、「ハンバーガー研究家」(白根氏)のコメント(ウェブ記事)に対して、自らの見解を述べよ。
 なお、小川の個人ブログ(11月26日、12月10日、12月21日)と、日本マクドナルドの月次販売データ(対前年同月比)を同時に参考にせよ。
 12月のマクドナルドは、既存店で、客数(-0.8%)、客単価(-7.9%)、売上高(-8.6%)ともに前年割れをしている。全店でも、売上は-7.0%のダウンである。これで、既存店は9か月連続で売上を落としている。

 
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<マックの無料企画「逸失利益も効果のうち」とバーガー研究家>

 (2012年12月26日(水)7時0分配信 NEWSポストセブン) 

 

 購入客にハンバーガーの無料券を配ったり、早朝にコーヒーを1杯サービスしたりするなど、数々のキャンペーンで話題を独占するマクドナルド。そんなファストフード業界の雄は、年明け早々にも“大盤振る舞い”のビッグな企画を用意している。 

 その名も「ビッグマックキャンペーン」。まず、すべての新成人に主力メニューの「ビッグマック」をプレゼントするという。期間は1月14日(成人の日)午前10時30分~15日午前4時59分まで。年齢確認あり、1人1個の制限つきなのに、ネット上では多くの店舗を回って無料ビッグマックを大量にゲットしようとする書き込みもある。
 

 「以前、フライドポテトが全サイズ150円というキャンペーンがあったとき、大量買いをしてツイッターに写真を載せる人たちが続出しました。岡山ではLサイズを60個購入した人が『食べたい人集まれ!』と集合をかけて、店がパニックになったようです。今回のビッグマックもいくつ無料で貰えたかを自慢する人が出るかも……」(20代ブロガー)
 

 店側はどの程度規制をかけるのだろうか。日本マクドナルドPR部の担当者に聞いてみると、

 「同じ店舗で明らかに同じ人が何度もビッグマックを貰われようとしていたら、お声掛けさせていただきますが、多店舗を回られた場合には確認のしようがありません。当社としては、コアメニューであるビッグマックをより多くの方々にお試しいただけるよう新成人1人につき1個をお願いしております」
 との回答。

 一部の不届き者には目を瞑らざるを得ないのが実情のようだ。さらに、1月の目玉企画はもうひとつある。会計終了後から商品を渡すまでの時間が60秒を超えた場合、ビッグマックなどハンバーガー類の無料券をプレゼントするというもの。
 

 この狙いについて、フードコンサルタントでバーガー研究家の肩書きも持つ白根智彦氏が推察する。

 「マクドナルドは10月にレジカウンターにあったメニューを撤去して批判を浴びましたが、これはメニューを見ながら商品を注文する形では、早く商品やサービスを提供できないと考えたから。ファストフードの命はいかに客の回転率を上げるかにあり、店舗数の縮小や客数の伸び悩みに喘ぐマックとしては、もう1回原点に戻ってスピード感溢れるサービスで利益を上積みしたいのでしょう」
 

 現場のアルバイトスタッフたちからは、「そんなの、無理!」「1人で一斉に大人数分のセットメニューを注文されたら60秒で出せない」など悲鳴も上がっているという。また、早さにこだわる余りに商品の質を心配する消費者側の声もあるが、前出の白根氏は大きな問題にはならないだろうと話す。
 

 「これまでもオーダーが入ってから素早く作るオペレーションは徹底していましたし、モニターには常に経過時間が表示されて、テンポよく商品を提供する一連の流れはゲーム感覚に近い。多少の時間短縮で商品のクオリティーが落ちることもないと思います」(白根氏)
 

 同キャンペーンではさらに、60秒以内に商品が出てきた場合でも、コーヒー1杯券がついてくるオマケつき。マクドナルドは新年無料キャンペーンで、一体どれほどの利益を還元するのか。会社側は明かしていないが、仮に新成人122万人(2012年の数)が1個ずつビッグマックを貰っただけで、約3億5000万円の売り上げと、うち数十パーセントの利益が飛んでいく計算になる。
 

 「瞬間的には莫大な経費がかさむでしょうが、それも計算のうえ。これらキャンペーンは単に話題性だけでなく、現場の士気を高めるうえでも効果的です。こんなことができるのもマクドナルドだからこそでしょうね」(白根氏)
 

 もはや低価格だけでは勝負にならないファストフード業界。来年はマクドナルドを皮切りに、各社ともどんな戦略で生き残りをかけるのだろうか。