保険会社の東日本大震災での対応が、国民から高い評価を受けている

 地震や交通事故に遭遇したとき、保険会社がきちんと対応してくれなかった経験をお持ちではないだろうか。一般庶民は、そうした拙劣な処理に対して、保険制度そのものに不信感を持ってしまう。昨年の夏、長女が交通事故に遭遇した。実名は明かさないが、その時の保険会社の対応は実にひどかった。



 本日のデータは、それとは逆の、うれしい調査結果である。
 わたしが開発の座長を務めている「日本版顧客満足度(JCSI)」の特別調査(第3回)で、昨年の東日本大震災で被災した方に、同じアンケートで「地震補償対応」のCS(顧客満足度)をたずねてみた。
 被災した回答者(約15%)に対する「補償満足度」は、それ以外の回答者(通常の損害保険支払者)に対して、平均で5~10ポイント(100点満点)も満足度(サービス品質、値ごろ感、口コミ、ロイヤリティ)が高かった。日本の損害保険会社は、総じて震災後にきちんと仕事をしていたことがわかる。
 
 新聞報道などによると、政府による被災者への一律保証(約600万円)に対して不満の声が上がっている。おそらく政府の対応への不満の源泉は、「一律保証」であることに問題があると思われる。それに対して、日本の損害保険会社は、「個別の事情」に応じて、ていねいに顧客対応ができていた結果だと考えられる。
 生命保険会社のほうも、同様に、一般市民からは高い支持が得られていることもわかってきた。産経新聞では、日本版顧客満足度指数の結果を支持するような報道がなされている。
 昨日の記事を引用してみる。
 
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 「震災1年で生命保険1522億円支払い 安否未確認者758人」
 産経新聞 [3/16 17:58]

  生命保険協会は16日、東日本大震災から1年間の震災関連の保険金の支払い状況を発表した。14日現在の支払い件数は、1万9969件で、支払い額は1522億円となった。想定額の1670億円に対する支払い率は約91%。安否確認がとれない顧客数が758人残っており、筒井義信会長(日本生命保険社長)は「最後の1人まで確認に努め行方不明者についても、3385件、251億円を支払った。
  今回の震災で、生保協は警察の公表情報や保険会社が把握した保険契約者の死亡情報を一元管理する業界共通のデータベースを構築。迅速な保険金の支払いに努めた。また、行方不明者の場合、保険金の支払いに必要な「危難失踪宣告」を受けるのに1年が必要だったが、政府への要請で震災後3カ月に短縮。 行方不明者についても、3385件、251億円を支払った。
 
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