2012年フラワーバレンタイン、売り上げ実績(速報)

 山本清子さんから、2月14日の花販売について情報が入ってきた。オランダ(欧州)では、今年のバレンタインは期待外れに終わった模様だ。バレンタインを仕掛けて2年目の日本では、販売実績は上向きである。ただし、成果が出たのは、きちんと販売努力をした花屋さんである。



 公式の販売実績については、フラワーバレンタイン推進委員会がいま結果を集計している最中である。わたしの速報は、その数値を反映したものではない。知り合いの企業からの聞き取り調査によるものである。
 いちばんの朗報は、大手花店チェーンで、既存店の売り上げが+17%伸びたことだろう。2月14日は、昨年も前年対比で2けた伸びていた。二年連続の大幅な売上増である。このチェーンでは、フリーペーパーでフラワーバレンタインを大々的に告知していた。店頭でも、華やかに花贈りを演出していた。

 私鉄沿線に店舗を構えている専門店チェーンは、都心の本店はほぼ前年並み。しかし、郊外の店舗やカジュアルな雰囲気の都心店舗では、前年比で売り上げが10~30%増加している。店舗ごとのばらつきは大きいが、それは、「店ごとに取り組みの真剣さにちがいがあったから」(S社長)らしい。
 同じターミナル駅に店舗構える私鉄チェーンでは、昨年とは見違えるほどの店頭ディスプレイだった。通りすがりで店頭を見ただけなので、売り上げ実績はわからないが、休日の2月12日には、立ち止まってフラワーバレンタイン商品をじっと見ているカップルが多数だった。たぶん、あの男性たちは一緒の彼女に、花をプレゼントしたものと思われる。
 都心のショッピングビルにある専門店では、男性客の比率が9割だった。バレンタイン当日は、「外国人なども含めて、夕方まで男性客が途切れることがなかった」(M専務)。同じく都心に店を構えている花屋さんでは、バレンタイン当日の来店客が昨年の数倍になっている。
 
 北海道の花屋さんからは、直後にメールが入っていた。日曜日(2月12日)に、スーパーの中にある店舗で、この店としてははじめての試みとして、「フラワーバレンタインに花配布を実施してみた」(店主さん)。配布当日の売り上げは、まったくの期待外れだった。
 ところが、お花を受け取ったお子供さんのひとりが、帰宅後に、ご家族に「本物のバレンタインの話」をしてくれたらしい。バレンタイン当日は、その家族のかたが来店した。などなどがあって、結果的に、バレンタイン当日の売り上げは、昨年に比べて5倍に伸びた。
 「まだまだ、できることはたくさんあるのですね」(女性の店主さん)との感想。二年目にして、とうとう結果を出すことができた。感激のメールだった。

 「フラワーバレンタインの盛り上がりは、東京の中心部だけみたい」(ある市場関係者)との噂が、巷には流れている。これは事実とは反している。北海道の事例や、首都圏でも私鉄沿線に、フラワーバレンタインのキャンペーンの動きが広がってきている。そして、いくつかの店舗では、大きな成果が生まれてきている。
 「たった一日のために、努力をするのは無駄」と、どこかで考えている花屋さんは、結果もよいわけがない。傍観と待ちの姿勢では、顧客は反応しない。しっかり取り組んだ花店は、ターゲットの男性客をきちんと取りこめている。

 「バレンタインの課題は、花の供給ですよね」(ある市場の営業担当者)。1~2月の悪天候のせいで、国産の花が供給不足だった。それを輸入花が埋めていたかとなると、疑問だそうだ。
 2月上旬から、国産バラの価格が高騰している。「輸入バラは、(グローバルなバレンタイン需要で)新興国に買い負けていた」(担当者)。
 チューリップとスイートピーは出荷量が確保できている。「これに、ラナンキュラスがほしいですね」とはその担当者の言葉。せっかくのキャンペーンなのだが、値ごろ感のある花がこの時期に供給できなければ、せっかくの大々的なキャンペーンも思い切って展開ができない。
 しかし、大手専門店チェーンは、きちんと売り上げを伸ばしていた。だから、中長期的には、フラワーバレンタインのキャンペーンが成功すれば、海外産の商品を加えて、花の供給は自然に需要についてくるだろう。
 市場関係者の懸念は本質的な課題ではない、とわたしは考える。証拠をひとつ示しておく。欧州では、バレンタインの花需要が低迷している、というニュースである(山本さんからの情報)。
 海外に買い負けているのは、まだ日本のバレンタインに向けて、輸入商社や花市場が本格的に企画を動かしていないからなのではないのか?

  
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 見出し:「中卸商:ヴァレンタインでの販売は、期待外れ」2012年2月15日
 
 バレンタインデー用の花の販売は,期待外れとなり、去年より販売量が少なかった。このことを、花卉業界仲卸商の組織であるVGBが報告した。
  「普段の週の売上げより少し高いだけであり、バレンタインの日に期待するような、最高価格ではなかった」と、市場の数日間の値について、この仲卸業者が語った。ヨーロッパの各国において、気候状況に花販売商は裏切られた。
 「全て大変困難であった」と、輸出業者のAalsmeerのWim Wesseling氏が語っている。この国の一番大きな輸出業者である「ダッチフラワーグループの取締役のHarry Brockhoff氏は、「外国の輸入仲卸業者への販売は去年より少なかった」と語った。利益が出なかった。
 「今年のバレンタイン、わたしたちには、何の利益もでなかった」と、花商用のcash-and-carryの Ab Weerman氏が語った。「オランダ最大の輸出市場であるドイツでも多くの障害が生じた。気候が最大の元凶であった」。
 また、その他の卸業者達によると、ギリシャや他のヨーロッパ諸国のユーロの経済問題が否定的な影響を与えた。
 「人々は、慎重に構えている。輸出業者と国内の卸業者は、小売業者が在庫の処分ができるのを待っている。もしあまりにも売れ残りが多ければ、バレンタインの週の後の日々は、店舗、卸店への荷の出荷が止り、価格レベルへの効果及ぼす」

出典元; © Vakblad voor de Bloemisterij