関西の荷受会社二社が、経営統合に向けて交渉を始めた。『神戸新聞』が昨日の記事で、「兵庫県生花と鶴見花きの合併により、日本第2位の卸会社が誕生すること」をスクープした。詳細については、明日、公式リリースが予定されている。新聞記事を紹介しておく。
「神戸、大阪の花き卸 経営統合に向け協議入りへ」
花きを扱う卸売会社の兵庫県生花(神戸市東灘区)と、同業の鶴見花き(大阪市)が、年内の経営統合に向けて協議に入ることが6日、分かった。少子高齢化による花き需要の減少に加え、市場間の競争激化などで収益が圧迫。規模拡大で集荷力を高めるとともに、システムの高度化でコスト低減を図り、厳しい経営環境を乗り切る考えだ。(桑名良典)
両社は1月中にも、経営統合に向けた協議会を立ち上げ、統合の形態や比率などの詳細を詰める。
関係者によると、兵庫県生花は取扱高で全国4位、鶴見花きは7位で、両社が統合すれば、2位の花き卸売会社が誕生することになるという。近くに正式発表する。
兵庫県生花は1944年設立。資本金8千万円で、従業員は120人。神戸市中央卸売市場東部市場(神戸市東灘区)と、大阪花き園芸地方卸売市場(大阪府豊中市)などで取引を行っている。
2008年4月には、同業の神戸生花卸売と合併。花きの一括入荷や施設の充実を通じて競争力強化を図ってきたが、業界を取り巻く環境は好転の兆しが見えず、さらなる規模拡大は不可欠と判断した。
鶴見花きは1994年に設立。資本金3億2600万円。大阪鶴見花き地方卸売市場(大阪市)を拠点に営業している。
(2012/01/07 08:30)
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<コメント>
両社の合併は、全国で進行している「市場統合」への動きの一つである。関東でも、大手市場の統合へ向けて、水面下では同様な動きが進行している。具体的な形は、物流面での協業、商品調達面での協力、花束加工会社との連携である。
急速に市場間でのグループ化が進むことは、わたしが10年前から予想していた通りである。その組み合わせがどうなるかが、日本の花き市場の行く末を作用する。
最終的に勝者になれるかどうかのカギは、ふたつである。(1)スケールメリットを追求すること(生産性を高めるために)、(2)積極的に先に動くこと(「後出しじゃんけんは」ない)。
その理由は、1月17日(火)に開催される「JFMA新春セミナー」(法政大学大学院)で、詳細をお知らせしたい。今回は、JFMA会員であれば、セミナー参加費が無料である。