一日中(昨日)、風邪で寝込んでいた@寝室兼書斎。午後いちばんで、松川弁当店班リーダーの長田愛生から、携帯にメールが飛んできた。試作品の写真つきである。わたしと林社長が、午前中に携帯電話で打ち合わせていた通りに、制作は順調に進んでいるらしい。
送られてきた写真は、山形プレミアム弁当の「春バージョンン」(3案)である。2月1日の駅弁大会@東京駅に間に合わせるため、急きょ学生たち5人が、米沢の弁当工場で作業をしていた。開発の途中経過について報告を受けていた。
林社長と午前中に議論したポイントは、2011年によく売れた「秋バージョン」と、今度の「春バージョン」の位置づけについてである。
ブランド論的には、両方の作品を程度に似せながら、適当に独自性をもたせる必要がある。わたしの考えは、つぎのようなものだった。試作品の写真を見ながら、班長の長田にも、メールで返信した。
(1)共通点: 使用する具材の内容にも包装紙にも、一貫性を持たせるように!
ブランド論の基本である。たとえ季節限定ではあっても、駅弁としての視覚的なID(アイデンティティ)は似せて作ること。山形新幹線の車内や東京駅の駅弁やの店頭で見てすぐに、「あっ、山形プレミアムだ」と気が付くことが大切である。
(2)相違点: 「山形」の食材を使用すること。「春」の季節感を大切にすること。
ローカリティ(地方の産物)と季節感(春)の強調が、この商品の肝である。新幹線の乗客は、山形の春の空気を食べて、思い出を反芻しながら、帰りの列車の旅を楽しむ。あるいは、下り列車では、期待を胸に列車に乗り込むのだ。
送られてきた試作品のなかで、わたしがもっともよいと思ったのは、第3案だった。3案ともに、秋バージョンと同じ「容器」(弁当の部屋を3つに仕切るタイプ)を使用している。その他は、直感的にピンとこなかった。
第3案の左側には、米沢牛をのせたご飯(つや姫だろう)。真ん中は、山菜の炊き込みご飯。俵型はそのままに維持してある。俵ごはんの巻きものには、前回好評だった天然の笹を使用していた。右側は、タケノコ(ウド?)のテンプラ?、あるいは、煮つけ(芋煮に代替する部品だろうか?)。
学生たちも第3案を支持していた。林社長としては、わたしに試食してもらいたいらしい。明後日(1月10日)に、試作品(第3案)を電車で東京駅に送るように手配した、と長田から連絡が入った。
2月1日発売となると、包装紙の作成など、作業工程が忙しくなる。今回も完売と行きたいものだ。できれば、新幹線の品川駅や東京発の山形新幹線(前回は、山形発が主体)にも、積極的に売り込んでもらいたい。今回こそは、車内での販売の状態も観察してみたい。学生と山形新幹線に乗り込んで!
さて、試作品の味は、春らしく多少は薄めにできあがっただろうか?量目も、前回はやへビーだったから、少し軽めのほうがよいように思う。