欧州の花事情についての情報である。オランダの山本清子さんから送られてきた雑誌記事である。予想通り、欧州では花の市場が収縮している。切り花の輸出額は、44億ユーロ(約4500億円)と落ち込んでいる。
3ヶ月続いて、10月の切り花、鉢物の輸出売上額が、前年より停滞している。10月の4%の落ち込みは、今年の累積伸び率を1%強に押し落とした。これにより、合計額が、€44億(約4500億円)となった。
毎月のHBAG(Bloemen en Planten in Aalsmeer)の輸出統計で判明した。輸出業者は、この様な悪い販売のトレンドを、消費者信用の低下のせいにしている。競争がきびしく、マージンと成果に重圧が掛かり、回復の見込みが少ないと、切花、鉢物市場の状況をHBAGが説明した。
輸出業者は、クリスマスと年末年始に販売の改善を期待している。今世紀に入り2度も、切り花と鉢物がともに輸出売上額が3ヶ月続けて落下した。これは、2008年のリーマンショック以降初めてである。
今年の10月に切り花の輸出売上額が5%収縮し、€2億5000万となった。累進の伸び率は、このために、ほぼ1%に落んで、€27億となった。鉢物、花壇物の落ち込みは、2%で€1億3500万となった。
生産グループの10月までの合計輸出額は、€17億で、伸び率は2%強である。今年の第1四半期の後の合計5.5%の伸張が、1%強に後退した。輸出業者は、まだ合計輸出額が、去年の会計最終収益である€51億を達成することに期待をかけている。
不安定な状態
ヨーロッパの国々における政情不安が、消費者信用と消費動向に重圧をかけている。贅沢品とみなされる切り花、鉢物の販売量が減ることへと繫がる。
以前の危機においては、販売への影響は無く、切り花や鉢物は危機に強いと考えられた。ところが、2008年・2009年の危機では、花も例外ではなくなった。困難な販売状況には、国によって違いがある。販売先でプラスを記録するところもまだある。
問題は、イタリア (-3%、€2億6500万)、スペイン(-5%、€8400万)、アイルランド(-8%、€4000万)、ポルトガル(-26%、€2600万)、ギリシャ(-11%、€2400万)と構造的に大きい。ドイツの減少額€3400万(-3%)は、これらの国々の合計販売減少額€2780万より多かった。
その一方で、ロシア(+26%、€1億6500万)、スカンディナビア諸国は、スエーデン(+18%、€1億500万)、ノルウエー(+36%、€5200万)、フィンランド(+11%、€4200万)が顕著な伸びを示した。
第2位の英国は、累進ではまだプラス(+3%)である。ただし、この数ヶ月の販売額は悪かった。第3位のフランスの累進伸び率は、遅いテンポであるが、オランダよりの切り花、鉢物にとっては安定した市場である。
成果に重圧
需要が無くなることで、まず、第1に、価格での相互間の競合が増す。これがマージンに重圧をかけるので成果にも重圧が掛かる。「支払い期間を引き延ばす傾向があり、これは大変まずい展開である」と、HBAG Bloemen、 PlantenのTom Bijleveld氏が語った。
輸出業者は、納入業者としてのオランダの強固な地位を最大に活用するために、全力を持ってことにあたる。それらは、幅広く深い品揃え、柔軟で敏速なロジスティックサービス、イノベーションである。
「市場イノベーションは、現状の市場においては、生産品イノベーションより重要であり、このためには、さらなる相互協力が求められる。この点においてもオランダの輸出業者達は、競合相手と区別できる」とBijleveld氏が語る。
このことで彼が付け加えるには、このためには財政的なゆとりが必要であるが、「これは簡単ではないが、事業家たちは、常に好機を見定め、活用する」と彼の経験を通して語った。
情報元: HBAG(Bloemen en Planten in Aalsmeer)