新刊紹介: 川野幸夫(2011)『日本一強いスーパー ヤオコーを創るために母がくれた50の言葉』産経新聞出版

 秋分の日、朝9時に宅急便のドラバーさんが玄関の呼び鈴を鳴らした。なんだろう? 休日のこんな朝早くにめずらしい。ふつうは、ヤマト便は昼近くに来る。ヤオコーの川野会長から書類である。産経新聞出版。そうか、いつか話していた「お母様(トモさん)の本」だとわかった。



 川野幸夫著『日本一強いスーパー ヤオコーを創るために母がくれた50の言葉』には、帯にふたりの推薦文が載っている。川野さんが「カンブリア宮殿」(テレビ東京12ch)に出演した時に、番組のナレーター役を務めた作家の村上龍と、息子さんのゼミの先生で東大教授の伊藤元重のふたりである。
 
 伊藤元重の推薦文は、「22年増収増益を続けるヤオコーの本質。それは消費者の側に立つことだ。この本を読んでよくわかった」
 村上龍の絶賛の言葉は、「川野トモさんの『経営哲学』は、信じらえないほど『先駆的』だ。しかも、『母親の愛情』がその基礎となっている」

 川野会長の「まえがき」にもあるように、本書は、会長の母、川野トモさんが、社内報用に書きためていた『商いのこころ』を再編集したものである。トモさんは、「埼玉の”おしん”」だとわたしは思っている。この本を読めば、ヤオコーの遺伝子(DNA)の所在がわかるはずである。

 半年前のことだろうか? 産経新聞社から、「トモさんの本を企画しているので、内容についてコメントをいただきたい」との依頼があった。ちょうど、拙著『しまむらとヤオコー』が出てすぐにことだった。
 本書は、まだ企画の段階で、実際の形にはなっていなかった。「それでは、ある程度ドラフトが出来上がったら、、、」と返事をしておいたのだが、その後は連絡が来ないままに半年が経過していた。そして、今朝の配達である。
 ともかく、川野会長!出版おめでとうございます。今年は、「ヤオコー本」が二冊、同時に世の中に出たことになる。埼玉の書店で、二冊が並んで売られるとうれしい!
 小学館の園田さんに、このことを知らせておこう。文化の日、園田さんは、自転車で埼玉の書店めぐりをしているかもしれない。