6月8日の同社ニュースリリースにもあるように、「ABCクッキングスタジオ」が上海に進出することになった。実は、「0号店」は昨年の12月から出店している。IM研究科の「マーケティング論」で、たまたまミニ事例(設問3)で将来の事業展開をテーマにしていた。
そこで、急きょ、ABCクッキングスタジオ創業者(現、ホールディングス取締役)を教室(新一口坂校舎101号)にお呼びすることにした。上海進出の事業展開について、学生のプレゼントに続いて、クラス討議を行うことにしている。
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ミニ事例3: 「ABCクッキングスタジオ」の課題
(Q1)「ABC Cooking Studio」(以下、ABCと略記)が事業として成功できたのはなぜか? 「革新的」だったと思われる要因を分析せよ。
(Q2)ABCの事業では、競合はどこだったのか? あるいは、ABCが乗り越えた壁はなんだったのか?
(Q3)事業のさらなる飛躍のために必要な課題は何か?
SQ1 とくに、上海やソウルなど、アジア諸都市への進出のための事業戦略を構築せよ
SQ2 国内ABCクッキングスタジオの基本モデルを、どのように現地化すべきか?
国別にちがいはあるべきだろうか?
SQ3 その他、斬新なアイデアを求む! 料理のレシピ、教授方法、店舗立地
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以下に、簡単な広報リリースと、日経MJの記事を引用しておく。
ABCクッキングスタジオからのリリース記事
「2011年7月中旬上海環球金融中心に 新スタジオと新オフィスをオープン」
「笑顔のあふれる食卓」をコンセプトに料理教室を展開する株式会社ABC Cooking Studio(本社:東京都千代田区丸の内、代表取締役CEO 横井啓之)は、2011 年7 月中旬に中国上海の国際的金融センター地区内に建つ101階建ての超高層ビル「上海環球金融中心」(上海ワールドフィナンシャルセンター)に新オフィスと新スタジオをオープンいたします。
スタジオオープンは2010 年12 月にマーケティングを兼ねてオープンした上海大悦城 (Joy Ctiy)スタジオに続き2 号店目となります。今回のオープンを機に、0 号店としてオープンした上記スタジオを1 号店と改め、上海環球金融中心(SWFC)スタジオを2 号店とし、また新事務所を開設し本社機能の充実も図ります。
JoyCity スタジオでの会員数は20 代のOL や主婦を中心に1000 人を超え、オープン当初ブレッドと製菓に絞っていたコースには料理も加わり、メニューが充実。同エリアを市場ととらえて、新規顧客獲得と店舗展開を図ります。
なお、日経MJ(6月10日)では、韓国進出の中止と上海出店について記事が掲載されている(後述)。
「中国に5年で50教室 ABCクッキング 来月、まず上海に」
料理教室のABCクッキングスタジオ(東京・千代田、横井啓之社長)は中国に進出する。7月中旬、上海に初の直営教室を開き、今後5年で中国国内に50教室を展開する計画。現地で人気が高まっている日本料理を中心にパンや菓子作りも教える。習い事への関心が高いとされる20~30代女性の獲得を目指す。
同社が海外で教室を展開するもの初めて。上海の超高層ビル「上海環球金融中心」内に料理教室と事務所を開く。昨年、上海に設立した現地法人が運営する教室は日本と同様のガラス張りとし、外から授業風景を見られるようにする。
日本と同じレシピを使い、巻きずしや天ぷらなどのほか、パンや菓子作りを教える。講師は現地で採用するほか日本からも数人を派遣する。
受講料は日本料理のレッスン3回分で約330元(日本円換算で約4,000円)。日本よりもやや安く設定する。日本の外食企業の進出を受けて日本料理は親しまれており、家庭で調理してみたいと考える消費者が増えるとみている。
同社は海外展開の第1弾として昨年1月に韓国への進出を発表したが、現地企業との提携交渉が決裂し断念。上海では昨年末から実験的に教室を開いていた。