今年の母の日 販売実績(速報版)

 母の日から二日が過ぎた。「遅れてごめんね需要」もあるので、すべて完了というわけではないが、全国的に花は売れた模様だ。4月上旬までの悲観的な見通しとは、逆の結果である。当日雨が降らなかったのは、神様のお慈悲である。簡単にヒアリングの結果をまとめておく。


サンプル数は、約10社(単独店、専門店チェーン、量販店)である。ただし、数値が示されいない他のチェーンや専門店にも、別途にヒアリングしてある。定性的な情報は、以下のコメントに反映してある。
 結果は、5月1日~8日(母の日)までの累計値である。個人的に聞き取りをしたもので、チェーン店の場合は、全店舗ではなくサンプル店の平均値である。数値は丸めてあるので、あくまでも参考値である。

 対前年比でもっと売り上げを伸ばしたのは、総合スーパー(サンプル店舗)だった(130%、110%)。理由は後で述べる。その一方で、食品スーパーは、昨年と同じか対前年でややマイナスのところが多い(95%、96%、100%)。ただし、大幅な落ち込みというほどではない。
 専門店チェーンの売り上げは、ほぼ前年並みであった(101%、97%、100%、180%)。店舗別のばらつきが多きかったようである。なお、+180%のチェーン店は、ネット販売を含んだデータである。
 単独店は、ほぼ前年並みのようだ。ただし、店舗によっては、例外的に売り上げを4倍に伸ばしたところもある。このケースは、商品企画の成功と社員の努力によるものである。

 総合スーパーが相対的によかったのは、おそらくは、ふたつの要因に支えられている。ひとつは、今年の花の日が、連休の最終日にあたっていたことである。大震災後の心理的な影響で、遠出の行楽客は例年の約半分に落ち込んだ(新聞報道を参照)。
 その分、近場のショッピングセンター(RSCタイプ)は大賑わいであった。連休中は、行楽施設を代替する形で、イオンやIYなどが運営している広域型のSCに、人々が集まった(例:越谷レイクタウンは、アウトレットモールの開業もあって、人出が倍になっている。二子玉川も同じ)。母の日の需要は、少なくとも首都圏では、RSCタイプの店舗で満たされたと思われる。
 しかも、郊外に立地する総合スーパーの花売り場では、攻めの売り場展開がなされていた。通常の花売り場を大幅に拡大して、大量の生花を陳列していた。たとえば、昨対比で+180%を達成したチェーン店では、例年よりも、道路にはみ出すくらいの売り場を作っていた。ロスを恐れずに、攻めの販売が功を奏したのである。

 結論である。わたしの事前予想(期待)は、対前年比+130%だった。この期待は、花業界全体としては実現できなかった。しかし、仕入れ量を落とさずに、積極的に攻めた店舗とチェーンは、予想通りの結果を得ている。そして、少なくとも、今年の母の日は、前年度を大幅に下回った店舗はなかったようだ。
 また、来年度に向けて、頑張りましょう!世間の風評に惑わされず、いつも攻めの姿勢でいきましょうね。