発売から3カ月して、読者カードが小学館から送られてきた。枚数は多くはないが、実購入店やきっかけ、自由記述欄には、感想やコメントが書かれていた。日経新聞の書評欄の影響が大きいことがわかる。埼玉県での購入が目立っていた。そうした中、気になるカードが一通だけあった。
実は、初刷りでは、細かなミスがたくさんあった。イトーヨーカドーの東松店については、ツイッターへの書き込みもあった。それを参考にして、第二刷りでは、IY東松山店の開業年(1971年→1977年)を正しく修正した。前後関係も変えてある。
しまむらの元社員や藤原相談役に見てもらっていたのだが、島村オーナーからも指摘がなかった部分だった。IY本社に最終的には確認をすべきだった。藤岡店のほうは、きちんと電話をして確認をとっていた。このミスも残念だった。
読者アンケートの指摘も、取材メモが不正確だったためである。そのつもりで書いたわけではないが、表現の仕方があいまいのままだったことに起因している。
一つの年号や日付の間違いが致命的である。この本に関しては、ずいぶんと細かく調べている。担当者に原稿を見せて直してもらっていた。それでも細かなまちがいが出てしまっている。
元ヤオコー社員のかたに指摘されたのは、「ヤオコー若葉点の初代店長が、中村さん(現在、取締役)だった」という点だった。文中では、初代の店長を担当したのが、滝沢さんというように読めてしまうらしい。そのつもりで書いたわけではないのだが、そのように解釈されたようだ。
この一点のために、「作品全体の信憑性が疑わしくなりました。残念です」とあった。ノンフィクションでは、考証ミスが非常に怖いのだと再認識した。
読者アンケートをいただいた方には、「若葉店についてご指摘いただいた方に、できれば謝りと修正のお返事を出したい」と園田さん(小学館)にはメールを書いたおいた。第3刷りが、5月11日に発売ンあるが、そのときには原稿を修正してもらっている。
わたし自身、この先もノンフィクションを書いていくつもりである。今回のような誤りについては、この先も心しておかねばならないだろう。
元社員の方やIY関係者(推測)のかたは、心証を悪くされたのだと思う。書き手としては、大きな反省である。