新しく本を出版すると、思わぬことが起こることがある。いままでもそうだったが、今回の『しまむらとヤオコー』では、たくさんの方から激励と本の感想をいただいている。そんな中、昨夜は、オール日本スーパーマーケット協会の会長で経済小説家の荒井伸也さんからメールをいただいた。
ビジネスマン(元サミットストア社長、会長)の荒井伸也さんは、安土敏のペンネームで作家としても活躍している。原作が映画にもなった『スーパーの女』など、いままで何冊も読んでいる。わたしにとっては、大学の同じ学部の先輩でもある。
出身大学(東大の経済学部)では、マーケティングや商業学の分野で、社会的な業績を上げた研究者が少ない。それに輪をかけて、実業界で成功しているビジネスマンも希少である。個人的には、希少種の仲間だと感じてきた。「商売」でうまくやることと知能は相関が低いのか? そんな気持ちを引きずって、マーケティングや流通をテーマに研究を続けていた。
実は、荒井さんとはいつかお話をできたら思っていた。「チェーンストアエイジ」に、荒井さんが、「サミットストア物語」を連載していたからである。
ダイヤモンドフリードマン社の編集長チーム(千田編集長、石川編集長)には、かなり前から会談のリクエストをしていた。昨日までは、荒井さんとコンタクトをとることが叶わなかった。
それがである。きっかけは、ヤオコーの川野会長なのか、しまむらの藤原さんの推薦なのかわからない。ご両人と荒井さんは、かなり昔からのお知り合いらしい。拙著をお買い求めいただいたうえに、わざわざメールで連絡をしていただいた。
身に余る光栄である。それと同時に、5月に、荒井さんが法政大学にいらっしゃる用事があるとのこと。来月、念願の対面ができそうだ。授業もあるのだが、できるだけスケジュールを都合したいと思っている。
いただいたメールは、A4で2~3頁にもおよぶ長いものであった。内容をそのまま掲載するわけにもいかないが、拙著と関連がある部分については、エッセンスを要約してみたいと思っている。
何よりもうれしいのは、ブログに書いた荒井さんの本の書評「スーパーマーケットほど素敵な商売はない」をお読みいただいたことである。迷いながら書いた文章だったので、とくにありがたいと思った次第である。
やはり、とにかくまじめに仕事をして、出版はしておくものだな、と強く思った。仕事を見てくれている人は、見ているものだ。
ちなみに、『しまむらとヤオコー』は、3刷り(2千冊)が決定した。累積で1万千5百部になる。『マーケティング入門』も3刷りになっている。憧れの印税生活がまじかである。