食品スーパーのヤオコーが、先週の土曜日(4月2日)から、直営の全店舗で「切り花の日持ち保証販売」を開始した。花部門の木村芳夫部長から連絡があった。原則として、全品5日間の日持ち保証で、関東圏の全110店舗中、73店舗でスタートしている。
日持ちを保証は原則としては全品目だが、日持ちテストをしてある商品はまだ約400アイテム(SKU)である。保証の除外品については、スリーブに「クリーム色」のシールを貼って区別している。
本格導入がはじまったばかりで、全アイテムの3割ほどが、まだ除外品である。日持ちテストが終わりしだい、順次「グリーン」(日持ち保証対象商品)にラベルを貼り替えていくことになる。
日持ち保証商品に「グリーン色」のラベルを採用することになったのは、わたし(小川)のアイデアである。米国の自然食品スーパー・ホールフーズの店頭では、オーガニック野菜・加工食品に「グリーン」のステッカーラベルが貼られている。POPもステッカーラベルも緑色である。そのことを木村さんに話したところ、識別のアイコンとして、グリーンが採用になった。
ホールフーズでは、除外品(慣行品の野菜)には、「ブラウン(茶色)」のラベルが貼られている。木村バイヤーにはそのことを伝えたのだが、おそらくは、「ブラウン」だと色目がよくないと判断されたのだろう。
一昨年(2009年)からはじまったヤオコー新店でのテスト導入では、5日以内に枯れてしまった場合も、クレームを受けつていた。夏場の一時期を除いて、クレームはごく少数だった。
今回も、枯れてしまった場合は、レシートを店舗に持参すると、返金ないしは同等品のとの交換になる。実物は要求しない「性善説」に基づく対応である。生産者や市場ではなく、小売り(ヤオコー)が責任を持って対応する。英国のテスコやスイスのミグロなどと、まったく同様な仕組みである。
日本ではじめての全店、日持ち保証販売が始まったが、導入時期が大震災の直後になった。物流の問題、産地や品種を増やすなど、日持ちをテストに関する課題もまだ多い。
しかし、大胆な試み(原則全品目、全店導入)は、スーパーの花部門としては、かなりの勇気が必要だっただろう。ヤオコーとお付き合いがある、関連業者との緊密な協力なくしては、今後の継続はむずかしいと思われる。
とりあえずは、ヤオコーの試みが、同社の顧客満足度を高めることに貢献することを願うばかりである。同時に、花部の「日持ち保証販売」の全店導入という偉業達成に、心からエールを送りたい。
(注釈)
ヤオコーでは、「日持ち保証販売」とは呼ばずに、「花持ち保証販売」と呼んでいる。筆者らが、2001年当時に、「鮮度保証販売テスト」の時に使っていた呼称である。
なお、わたしは、これからヤオコー船橋三咲店にて、日持ち保証の現場をチェックしてくる。店舗訪問後に、夕方以降で、観察記録をアップします。