山本さんから、今週、ふたつの対照的なメールが入ってきた。種苗会社のプリースマン(10年前にわたしも訪問)が倒産した。ところが、オランダ市場は活況を呈している。種苗会社と生産機能がオランダ国内から消えて、花市場はマーケティング会社に変わっていく。予想の通りである。
「切り花、鉢物は、良いスタートを切った」2011年2月14日(HBAG)
オランダの輸出をしている仲卸商は、1月に売上高€3億7800万(約435億円)を上げた(1ユーロ=115円で計算)。これは、2010年と比較して20%、2009年との比較では7%の伸びである。切り花は、先月は、26%のプラスで€2億5000万、鉢物・苗物は11%の伸びで、ほぼ€1億2800万となった。
以上のことが、HBAG(切り花、鉢物、AALSMEERの輸出統計)で判明した。2010年と2009年の比較は、両年とも冬の気候で販売に障害が出たことによる。これが、経済問題にさらに上乗せされた。これにより、輸出業者は、残りの月に対しては、部分的に楽観的である。
通常、その年のヴァレンタインの日が、切り花、鉢物の販売にとって良い売り上げになるかどうかは、1月末の商売でわる。今年は、その例年の通りになった。これは、ヴァレンタインが、過去2年において週末であったのが、今年は月曜日であったことにもよる。また、ヴァレンタインの日用の契約と相対の売り上げも良かった。これは、楽観的な今年の商況を表している。
花き市場の歪んだ像
好ましい1月のスタートではあるが、昨年はそれとは逆の様相を呈していた。2009年や2010年において、オランダよりの切り花、鉢物にとって重要な販売地域であるヨーロッパの国の大部分が、比較的厳寒な冬に見舞われた。とくに去年は、冬の期間が長く続き、2月は売り上げが7%の後れを取った。その前年は、経済恐慌の影響が大きく、2月までの後れは、18%であった。
切り花の価値、速く上がる。
1月には、切り花の輸出高が、26%伸びて、€2億5000万強(約287億5000万円)となった。これは、鉢物より速いスピードである。トップの国々の内、イタリア、スイス、ベルギーのみ、大幅の増加率が無かった。ポーランドの大きな売り上げの上昇については、HBAGで更に詳しく分析を行う計画である。
東ヨーロッパ行きの荷物は、平均的に高い伸びを示した。これは、輸出業者たちの期待どおりであったが、1ヶ月を過ぎたのみ状況では、まだ結論を引き出すことはできない。全体に及ぶ輸出高の上昇は、需要の改善と高い卸値価格の組み合わせによるものである。とくに、球根切り花は、今年は市場性が良かった。これは、天候が良かったことにもよる。これにより、小売業界でのマーケット販売、街頭販売、衝動買いは、高い売り上げの水準であった。
鉢物では、国により変化有り
鉢物、苗物の輸出高は、今年の最初の月は、11%伸びて、€1億2800万(約147億円)であった。国によって、切り花より結果がずいぶん分かれている。ヴァレンタインの日へと向かう日々は、鉢物分野では、1月には実勢がはっきりと分かり、2月には、花つきの蘭のような高級分野の品種では、品数が不足していた。
平均的水準
1月の合計輸出高€3億7800万(約435億円)は、今世紀に入ってからの統計データを比較すると、平均値よりは高い。最高記録は、2007年である。1月には€4億を突破して、€4億1000万(約472億円)であった。2000年の1月の輸出高は、€3億600万(約414億円)ともっとも低かった。
前向きなスタートは、希望を与えるが、需要の確実なる回復は、輸出業ではまだ確信を得ていない。経済恐慌後の売上の上昇は、まだ不十分である。期日内の支払いの厳しいコントロールと支払い期間を元に戻すここが必須である。市場の拡大との組み合わせで、これがオランダの卸商にとっては、大いなる挑戦となる。
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