ご報告: ヤオコー佐倉染井野店に行ってきました!(10月14日早朝)

 「ザ・マーケットプレイス 佐倉染井野」(千葉県佐倉市、最寄駅は京成臼井駅)に行ってきました。14日開店のしまむらは、10時前に560人が店前に並んでいました(目で数えました!)。信じられない繁盛ぶりです。初日(13日)も、来場者が1万二千人だったそうです。

 客単価が2500円ですから、売り上げは、なんと初日で3000万円です。川野会長に確認したところによると、「2007年に、桐生相生でテナントしてしまむらさんに入ってもらっているので、佐倉の店舗は、15年ぶりではありませんよ」とのこと。

  おもしろかったのは、佐倉のヨーカ堂が、平成21年に撤退していることです。「3層か4層の箱型」だったようです。
 クローズドモール型のイトーヨーカドーは、商売にならなかったのです。IYが撤退した同じ場所に、オープンモール型のヤオコーが、しまむらとマツキヨとダイソーをテナントとして束ねて、近隣型SCとして「街」を再構築しているわけです。
 きちんと集客ができている。しかも、それぞれの店は、開店日をそろえなくとも(笑)、人はたくさん集っている。近隣住民が書き込んだブログをたくさん読みましたが、半年前から、ヤオコーのNSC開店を楽しみにしていたようです。
 車で回りを走ってみましたが、豊かな環境でよい住宅街です。NSCの真向かいには、カワチ薬局(ドラッグストア)、大戸屋(和食)。その裏側に、ケーヨーD2(ホームセンター)があります。相乗効果で、客は逃げません。

 日本の未来の郊外を見ているようでした。日本でも、「the market Place 佐倉染井野」のような中規模のNSC(近隣型ショッピングセンター:約1万平米)が、立派に成立するらしいのです。初日の状況を見ていると証明はほぼ終わったようです。
 周囲にお客はいたのに、ヨーカ堂の店は、それを利益に変換できなかった。これは、総合スーパーの凋落を証明している現実でした。
 ちなみに、近くにあるヤオコー四街道店(2年前の4月に開業)は、苦戦が続いているようです。やはり、IYの後に作った店舗のようですが。居ぬき出店です(M2プラザ四街道)。原則論ですが、四街道店が苦戦している原因は、店舗の形にあるように思います。クローズドモールでは、ヤオコーのよさが生きないのです。
 たぶん佐倉はその反省から、更地で開発を進めたようです。地価が下がってきているので、日本の郊外でも、オープンモール型がコストとベネフィットのバランスからも、充分に引き合うようになったわけです。

 佐倉染井野店は、最終章の場面として絶好の素材になりそうです。
 ヤオコーの川野会長と しまむらの藤原相談役の話を総合すると、これまでも「しまむらとしては出店したかった」(藤原相談役)のですが、「賃料の条件がなかなか合わなかった」(川野会長)ようです。
 ようやく、両社のコスト計算が折り合うようになったようです。これから先は、郊外への出店に関しては、折り合いが付けば、ヤオコーとしまむらの共同出店(ヤオコーのSCにしまむらがテナントとして入るパターン)がどんどん現れてくるのではないだろうか。
 どちらも、「ディステネーションストア」(目的買いの店)を目指しています。21世紀初頭の流通業界の勝者です。もはや、 相手の集客力に頼って出店する必要がなくなったわけです。自らの力で客を集められるようになった結果だと思いました。