シナリオB「菅首相続投の先に来るものは」 わたしの読み(ケースA)は見事に外れてしまったが、、、

 本日の民主党代表選挙で、菅首相が再選された。二週間前から予測していた「ケースB」のシナリオである。国会議員票は、僅差の206 対200だった。わずか「3票」の差である。その差は「6票」ではない。寝返る人が3人いれば、国会議員票では逆転だったのだ。


菅首相は、党内反対派(200票)の処遇を、ゆっくり考えるだろう。小沢元幹事長は、すでに離党を考慮しているはずだ。もっとも立場の近い近親者が、党の要職に就かない限りは、そのシナリオは生きたままだろう。
 ただし、すぐに離党はない。なぜならば、新しい枠組みを準備するまで、一定の期間が必要だからだ。菅・小沢両方の陣営にとって、財政政策、外交政策、マニュフェストの履行は、いずれをとっても、関係の修復は不能だろう。誰が考えても、これ以降、挙党体制の維持は無理である。米国(普天間問題)も中国側(尖閣諸島)も、同じように読んでいるはずである。
 このあとも、日本の国政の混乱は続いていくことになる。二ヶ月以内に、菅首相の新しい内閣は、議会運営でつまずく可能性がある。その課程で、政界は再編成されるだろう。小沢氏の選挙戦敗北により、組む相手方は、分裂与党と分裂野党の入れ子で、複雑な組み合わせになる。

 本日の新聞報道・社説は、一般的に菅首相に好意的だった。
 しかし、目先の健全財政の方針と、円高容認の組み合わせでは、日本経済は浮揚しない。この暮れにかけて、失望感が世の中に広がるだろう。日本だけでなく、海外もいまや政治指導者の資質に疑問符が付く。米国のオバマも、フランスのサルコジも、英・独もいまや指導者に恵まれていない。
 むしろ、中国や朝鮮半島に、政治的にイニシアティブをとれる大物政治家が見えている。すくなくとも、国内での目に見える対立からは、彼らは無縁だからである。方向転換も前進の仕方も、実にすばやいものがある。
 わが国の政治も経済も、これで一件落着とはいかないだろう。パワーゲームの動きに、引き続き注目していよう。