わたしの生きがいは、約束を果たすことである。「2007.01.31 Wednesday」の本HPに、「マーケティング教育者会議」(Educator’s Consortium in Marketing)というコラムを掲載したことがある。覚えている方もいらっしゃると思う。 「海外にあって日本にないもの。そのひとつが、大学教員が授業をするための教育訓練の場である。米国の学会では、Educator’s Conferenceなどと呼ばれる特別な学会(セッション)が頻繁に開かれる」という書き出しではじまる一文である。
テキストを書き上げたので、そろそろ「マーケティング教育者会議」の開催を実践してみようと考えている。その準備として、二年間、法政大学で若手の研究者を集めて、「ブランドマネジメント研究会(土葉会)」を開催してきた(発足当初からでは10年?)。
今週の日曜日(6月21日)に開催される「JIMS:日本マーケティングサイエンス学会」(@京都工芸繊維大学)では、昨年暮れからの活動報告を行うことになっている。木村純子先生と共同監修で進めている「異文化マーケティング」の翻訳についても、途中経過の報告が含まれる。そうである、何事も「継続は力なり」なのである。半年間の成果である。マーケティング教育会議の準備段階なのだ。
もう一度、2007年のわたしのHPから文章を引用する。
「日本の大学で教育を受け、学会的でそれなりの地位にある指導教授の下で、とりあえずは博士号を取得した場合でも、事態は似たようなものである。言いたいことは、ビジネスの研究・教育においても、教育者を再教育する場が必要だと主張したいのである。
この春から、標題の「マーケティング教育者会議」(Educator’s Consortium in Marketing)を法政大学で開催しようと思っている。最初は2ヶ月に一度程度。実施内容は、ふたつである。①ドクター取得後(マスター取得後)の研究テーマについてのコンサルテーション、②大学や企業内での教育コンテンツの提供。実際には、①のためには、最新の論文を輪読紹介すること、自分の研究テーマについての発表と相談、②のためには、事例研究の素材提供と相互での議論。
②については、なんらかのコンテンツの標準化を考えている。参加希望があれば、わたしにメールで連絡していだだきたい(huko-ogawa@nifty.com)。参加対象者は、法政大学のリンケージに限定しない。他大学出身者(ドクター在学中が望ましいが、修士でもOK)でもかまわない。世のため、人のため、日本の教育研究水準を高めるためである。大学教育において、いつまでも欧米依存では日本人として恥ずかしい。」
最後のフレーズの実現が、来月出版になる『マネジメントテキスト マーケティング入門』(日本経済新聞社)である。土葉会では、つぎのステップに進むことになる。
とりあえずは、日曜日でわたしが紹介するスライドを、以下にペーストする。オリジナルは、パワポの原稿である。ちょっと見にくいかな?
2008年度下期「土葉会活動内容」
開催日時 (発表者) テーマ
2008年12月20日 (木村) Marketing Across Culture翻訳のための概要紹介
2009年 2月21日 (酒井) 顧客視点のサービス・リレーションシップ・モデルの
構築と経時的検証― 相互ベネフィットをもたらす顧客マネジメントへの応用―
2009年 3月14日 (本間) ブランド選好に及ぼす原産国の好悪の感情
2009年 4月18日 (頼) エコ・プロダクトのコンセプト・デザインとブランド戦略
(八島) 代替案の魅力に対するスイッチング・コストの影響の検討
2009年 5月16日 (岩崎、塚原) テレビ番組のプログラム価値マップ
2009年 6月 6日 (神田) 消費者満足と購買後行動のパターン
(本間) ブランド選好に及ぼす原産国の好悪の感情
Marketing Across Culture(Jean-Claude Usunier, Julie Lee著)翻訳
開催日時 内容
2009年4月4日 各章要約発表及び今後の予定打合せ
2009年4月18日 第1章~第4章全訳発表・読み合わせ
2009年5月16日 第5章~第8章全訳発表・読み合わせ
2009年5月30日 第9章~第14章全訳発表・読み合わせ
監訳:小川孔輔、木村純子で進行中
10月末原稿完成予定