先週末は、大阪大学経済学部(豊中キャンパス)で、マーケティングサイエンス学会の全国大会が開かれた。初日の懇親会後に、学会の中堅・若手研究者たちと千里中央の居酒屋で飲んだ。翌日に取材(阪急オアシス、万代、いかりスーパーなど)があったので、わたしは大阪空港ホテルに宿泊した。
慶応大学の里村君、千葉大学の佐藤君、東北大学の照井君などと酒席の機会をもつのは、実はめずらしいことである。里村君とは、その日の発表内容でずいぶんと話し込んだ。いつも同じ研究野路線で戦いながら、しかし、新しいモデルや発想でしごとを続けていくことは、けっこうたいへんなことである。里村君や照井君は、国際的に活躍できる数少ない日本人マーケティング研究者である。がんばって欲しいと思っている。
彼らと話していて、いつくか気がついたことがあった。ひとつは、わたしの著書『マーケティング入門』に対する評価である。簡単に言えば、わたしが「はしがき」に書いた狙い通りに、「日本版コトラー本」としてのポジショニングがきちんと伝わっていることが確認できた。うれしいことである。
マーケティングの理屈はわかった。しかし、教育のコンテンツとしての問題は、具体的な事例である。わたしの本は、日本のケースが豊富である。日本独自で事例が身近であることは、マーケティングの授業を教えやすくしているらしい。できれば、インストラクターマニュアルがほしいだろう。
お約束なので、荒木先生(大阪府立大学)には、後ほど送付しようと思うのだが、授業用のパワーポイントを公開しようと思っている。さらには、文中でコラムの元ネタになっている「授業用の詳細ケース」を発表する準備も進めてみようかと考えている。明治学院大学の小野君からは、「問題集がほしいです」という希望もいただいている。
そこまで期待されるのであれば、別刷りで、大学の先生向けには、「授業用のキット」を作成してみようかとも思う。「インストラクターマニュアル」(パワーポイント資料)と「事例集」「問題集」の付録つきではどうだろうか?
もし、この文章を見ている同業者の先生で、わたしの本を授業で使用してくださっている方がいらっしゃったら、授業用のパワポ(全18回分)をさしあげます。必要とされる方には、小川作成の「オリジナル論文集」「事例集」をファイルにバインドして差し上げることを考えてよい(ただし、印刷用の実費は負担してもらいますが)。
日本のマーケティング教育の生産性をあげるためには、個人がもっている資料や情報公開の努力は無駄にはならないだろう。そんなんことでも、貢献してみたい。