2015年度JCSI調査で、カジュアル衣料品チェーンのハニーズが大躍進を遂げた。先月発表された同社の中間決算報告書でも、3つの指標で業界2位になったことが告知されていた。国内の競合チェーンである、ユニクロやしまむらをほぼすべての指標で凌駕している。ハニーズで何が起こっているのだろうか?
2015年度のJCSI調査で、衣料品専門店の部門では、6つの指標ともトップは、クロスカンパニー(earth music&ecology)である。その理由がかなり明確だと思うが、ハニーズの躍進にはちょっと驚いている(拙著『CSは女子力で決まる!』生産性出版、2014年)。
女性向けのカジュアル衣料品チェーンなので、ハニーズはわたし自身がふだん利用する店舗ではない。全国チェーンではあるが、郊外型SCを中心に出店をしているので、都心部での仕事が多いわたしは、このごろ店舗視察をしていない。そのことに気がついた。
「ハニーズの躍進」のことをブログに書いたのは、読者の皆さんに、実際の経験をたずねてみたかったからである。とくに地方にお住いの女性のかたで、最近ハニーズ(Honeys)をご利用になった方に、データの信ぴょう性をたずねてみたい。
衣料品の業界では、3つの指標(顧客満足、知覚価値、推奨意向)で、earth music&ecologyに続いて2位である。また、6指標以外では、感動指数(おどろいて)や失望指標(がっかりした)、「選ぶ楽しみ」(SQI)などの指標でも得点が急上昇している。類似コンセプトの外資ブランド(少量アイテム生産)のH&MやZARAと比べると、品質とサービスのスコアでは勝っている。
それでは、主要4指標の各社の時系列データを公開する。女性の方からのご協力をおねがいしたい。
<主要なCS指標> (2009年~2015年)
*ブランド名は、左から順に、ハニーズ(HN)、しまむら(SM)、earth music&ecology(EM)、 ユニクロ (UQ)、GAP(GP)、H&M(HM)、ZARA(ZR)である。評価スコアは、100点満点である。
知覚品質
HN SM EM UQ GP HM ZR
2009年 60.4 66.9 65.8
2010年 60.8 66.6 66.9
2011年 62.3 69.2 68.4 63.1 65.3
2012年 64.6 61.0 66.9 67.9 61.9 64.1
2013年 63.5 60.2 66.0 66.0 66.5 60.1 61.7
2014年 62.4 60.8 65.0 66.6 63.1 59.9 60.5
2015年 66.4 62.4 69.9 66.8 66.4 64.0 63.9
知覚価値
HN SM EM UQ GP HM ZR
2009年 69.5 72.4 67.2
2010年 68.9 71.8 68.1
2011年 71.2 72.9 69.9 69.4 68.7
2012年 72.4 70.0 72.0 67.9 69.7 66.1
2013年 69.9 66.4 69.8 70.0 69.1 66.7 62.8
2014年 69.4 67.8 69.1 71.4 64.4 66.2 64.2
2015年 71.7 68.3 73.8 69.2 70.0 68.9 65.3
顧客満足
HN SM EM UQ GP HM ZR
2009年 67.8 70.0 67.7
2010年 67.2 70.4 68.8
2011年 70.1 72.3 72.1 70.2 69.4
2012年 72.5 68.9 70.8 71.3 69.5 68.8
2013年 69.7 65.9 71.4 69.6 70.2 66.8 66.1
2014年 68.4 67.7 69.8 70.6 66.0 66.1 65.3
2015年 71.5 68.2 75.6 69.1 71.2 70.5 67.9
推奨意向
HN SM EM UQ GP HM ZR
2009年 52.7 57.6 58.5
2010年 52.8 56.1 58.0
2011年 52.3 57.5 59.6 56.7 56.3
2012年 59.5 53.1 59.3 60.3 55.3 58.0
2013年 58.9 51.8 60.6 56.8 59.9 54.1 55.8
2014年 59.8 54.0 60.3 59.1 59.0 55.9 58.2
2015年 63.0 56.2 65.1 62.0 62.9 60.4 59.2