オランダ通信(BY山本清子)「切り花と鉢物の輸出が緩やかに5%上昇」

オランダの花き輸出データ(2010年4月)についての動向を、オランダ在住のを山本清子さんから送っていただいた。2010年5月18日付けである。ギリシアの財政破綻に続く、ユーロの不安的な状態にも関わらず、オランダからの花の輸出は緩やかに増加している。以下は、そのレポートの概要である。


切り花と鉢物の輸出高が、④4月に5%上昇している。鉢物と花壇苗が切り花より好調だった。輸出高は、合計で€19億(約2000億円)だった。内訳は、切り花€12億、鉢物€7億500万である。 全ての販売先で伸びが見られたことが、AALMSEERのHBAG(オランダ産業管理機構.農業卸売業)によって報告された。
 2009年と比較しても前向きであったが、2006年~2008年との比較では縮小をとなっている。偶発的な混乱で、4月は切り花と鉢物の販売にとって困難な月であった。輸出の回復にはまだ時間がかかると考えられている。競争が激烈でマージンが圧縮さえている。全力をかたむけて、商業者は結果を出さなければならない。
 4月は、偶発的な事件(注:おそらくは、アイスランドの火山噴火による輸出停止)によって困難な月であった。それとともに、 前年(2009年)の良い気候の春と比較して、今年は寒い春となったので、取引の動きが敏速でなかった。そのために、花壇苗物類、公園用、バルコニー物の販売を阻害した。
 切り花では、アイスランドの火山爆発による灰雲が、遠方へ輸送される輸出きり花の出荷を妨げた。ユーロは5月の初めより圧力が掛かったために、為替市場の不安は、4月にはまだ感知できなかった。この結果で、切り花と鉢物の輸出のさらなる展開を評価するのには困難である。
 
 ほとんどの国で輸出はプラスとなる。

 輸出高は、4月と今年の最初の4ヶ月は、ほとんどの市場において上昇した。とくに、ドイツは、ナンバー1で(+8%)€6億4200万と強度の成長国であった。切り花のドイツへの輸出は、10%上昇して、€3億7300万。鉢物は、4%の上昇で、€2億6800万となった。去年は、12%、€6億5500万、2008年は、18%、€7億4500万であった。
 2年におよぶ輸出額の減少の後、英国市場は、急変を迎えた。4月までは6%の上昇を見た。ただし、構造的な復旧と言う明るい見通しは、輸出業者は、まだ持っていない。ロシアでの累積輸出高では、この約1年間で初めて2%の上昇を見た。これは、4月に17%、€1200万の上昇による。最近におけるユーロの為替の下げが、どれだけ、英国とロシアへの輸出を押し上げられるかはまだ不明である。
 他の多くの国々の様に、消費者の信用が、まだ経済恐慌の前のレベルに回復していない。ポーランドとデンマークが、販売先リストの中でのトップ10で、オランダよりの輸出高が上昇しなかった、唯一国である。
 
 マージンと利益に重圧がかかる。

 2007年と2008年を比較すると、輸出高の遅滞は、ほぼ、2%と4%であった。現状の輸出高は、2005年とほぼ同額の€19億である。 2009年と比較した現状の上昇率である5%は、大部分が、切り花、鉢物ともに高い仕入れコストによる。
 とくに、小売チャンネルでは、コストアップを顧客に転嫁するのは大変難しい。伝統的な卸売商においても、値が跳ね上がることは問題である。結果として、輸出卸業者のマージンに圧力がかかり、経費が高くなることにより、利益を圧迫している。
 それにもかかわらず、卸業者は、年間3%と言う中期における構造的成長を見込み、市場におけるチャンスをにらんでいる。経費削減、さらなる債務方針への注目、新規の販売コンセプトの組み合わせで、輸出業者は、国際切り花・鉢物市場へ彼らの地位の改良を図っている。

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