日経新聞の朝刊9面で、SCE(ソニー・コンピュータ・エンターテインメント)の久多良木健会長(元ソニー副社長)の退任の記事を発見した。既定路線のせいか、記事はあまり目立たなかった。
ご本人に直接インタビューさせていただくことはなかったが、1999年に誠文堂新光舎から出版した『当世ブランド物語』の中で、プレステ誕生の話を書かせていただいたからである。当時ソニーの社長に就任したばかりの出井伸之氏と個人的に親交があった。その縁で、ソニー広報室を通して取材に応じていただいた。
あれから10年が経過した。ソニー内では、出井元会長の影響力もなく。今度は、久多良木会長の退任である。コンピュータゲーム機市場も、その後は二転三転した。いま任天堂DSが絶好調。他方で、当時圧勝だったソニーのゲーム機(PS3)は正念場を迎えている。その中心に座っていたのが、わたしと同年の久多良木氏である。お互いに当年56歳である。
この先、久多良木氏がどのような仕事に取り掛かるのか。その構想を知りたい気がする。ゲーム機市場では、一時代を画した人である。今後の活躍にエールを送りたい。個性的すぎて批判もあったが、ソニー本体の社長を一度はやらせてみたかったな~と。
わたし自身はといえば、おかげさまで、この10年間、達成したいと思った仕事については、そのほぼ90%が実現している。現在進行している多くの事業部門(学会、業界、大学)は、予定通りにビジネスが進展している。若干の不安は抱えながらもである。
本日も、二つの講演が控えている。午前中は、「農業分野の将来市場展望」について、午後は「切花の輸出入と国内生産」についての講演である。