1ヶ月ぶりに、オランダの山本清子さんから、お知らせがあった。しばらく、息子さんが住んでいるマレーシアに旅行していたらしい。旦那さんのアプさんと一緒である。オランダは今年の冬は寒かった。厳寒の欧州から、避寒していたのかもしれない。
2010年3月11日過ぎ去った冬は、あまりにも長すぎた。ヴァレインタインの日まで、霜や雪に見舞われた。ヨーロッパの切り花、鉢物販売には大変きびしい状況だった。道路事情が悪く、商品が現場に到着するのが困難であった。そのため、花の市場や露店での販売が不振だった。ヴァレインタインの日は、日曜日でカーニヴァルの日に当たっていた。
オランダにとってもっとも重要な輸出販売先であるドイツは、あきらかに販売力が衰退した。フランスはその反対で、花店は長い時間、早めに開店していた。しかし、悪天候がつづき条件が悪く、週末にかけては、販売が困難な状況に陥っていた。
2月18日になり、気温がようやく0度以上となった。その後は、「国際婦人の日」(3月8日)へと向かって、観賞用植物の販売が促進された。2月の売上額は、そのため、わずかながら、(前年比で?)プラスに転じた(+0.3%)。ただし、販売数量は少なかった(-0.6%)。英国の母の日は、来月(3月)である。3月には、(オランダ花業界の雰囲気としては、)花の販売が期待できそうである。
<2月には、花販売が伸びる>
チューリップの地位が、際立っていた(注:わたしたちも、1月末に欧州旅行をした、チューリップは、フランス、ドイツ、スイスなど、どこの国でも実によく売れていた)。出荷の伸びが10%、売上額も14%の伸びであった。中値でも、2009年よりも0.5セント(0.6円)ほど高い€0.144(18円/本)となった。
菊も回復の兆しを見せている。とくに、大輪系の菊の出荷量は、8.8%も供給量が少なく、一本当たり€0.604(75円)とかなりの高値が出た (+38,2%)。これは、東ヨーロッパ市場が、ゆっくりと回復している兆しである。ロシアのルーブルの為替レートも少し上昇している。
スプレー菊も同様に高い。入荷量の減少が、売上額の上昇より大きかった。同じことが、ガーベラにもみられた。抜きん出でいたのは、ヒヤシンスとユリである。ヒヤシンスは、前年比で出荷量が5.4%少なく、売上高は22%増加した。(本数当たりの)中値は6セント(7円)高く、€ 0.27(32円)となった。ユリは€ 0.634(76円)と、2009年と比較して9セント(11円)高くなった。
ところが、セリ市場全体の合計入荷量は7%ほど少なかった。バラとアンスリュームは、前年比較では、供給量が減っている。高級製品は、まだ難しい状況にある。2月は、最終的には切り花は、売上利益が0.8%増して、本数では0,5%の減少になる。中値は、€ 0.224(28円)まで伸びた。
<鉢物も前向きの方向へ>
鉢物は、切花の価格の直ぐ後を追った。コチョウランの値は、去年の値に近づいたが、(対前年で)0.5セント(0.6円)低かった。平均値が€ 3.93(500円)で、供給量は17%ほど増えた。コチョウランも先行きは明るい兆候が見られる。将来は希望に満ちたものである。
バラの鉢物は、ヴァレンタインの日の近くになって、高値が出るようになった(+15.6%)。供給の点では、前年比で数量が少なかった(-12.2%)。アンスリュームは、2009年より入荷量が増えたために、値段はきびしかった。カランコエは、かなり良く、4.3%の数量増。中値が、ほぼ3セント(4円)高かった。
球根鉢物の展開は、分かれた。水仙の価格は、安定して€0.67(90円)。入荷量は少なく(-3.7%)、ヒアシンスの鉢物はほぼ入荷が28%増しであった。そのため、2009年との比較では、価格が12セント(15円)と大きく下げた。月末にかけて、鉢物の売上の上昇は0.5%となり、数量は1.7%増した。
<花壇用苗物類は、まだ大幅にマイナス>
(欧州を襲ったきびしい)冬の気候により、まだ人々は庭仕事をする気になっていない。重要な販売地域では、まだガーデンの作業ができない状況であった。気候が変われば、ガーデン植物の販売には急速に変化が生じるであろう。この製品グループの販売機会も、多くなるであろう。
2月には、売り上げが2009年と比べ16%減少している。供給量は、30%減少した。
以上、情報源は、オランダ「フローラホランダ市場」(2010年2月10日)である。翻訳は、山本清子(JFMAオランダ駐在員)による(小川が日本語を検閲)。