この国が”このまんま”では、東国原首相の実現を予言する!

今朝の全国各紙の一面記事を見ていると、東国原宮崎知事のニューズでかしましい。東京都比例区から衆議院議員に立候補するのと引き換えに、今度の内閣改造人事で総務相に就任することなどが噂されている。このひと(昔の「そのまんま東」)の計画性を馬鹿にしてはいけない。行動や発言が、実に用意周到なのである。


わたしが長距離を走り始めてから、数年後のことである。おそらくは2000年ごろだと思う。「ハーフ以上で全都道府県マラソン制覇」の目標があって、宮崎太平洋マラソンにも数回出場した。太平洋マラソンは、専門誌「ランナーズ」などでも人気のマラソン大会である。海岸線の松林と海の風景が素晴らしいのと、沿道でジャージ姿の女子高生が小旗をふって声援をおくってくれるからである。
 フルマラソンを走り終わって、上位入賞者が表彰式の舞台に上がる。地元の宮崎放送などが実況中継をしているので、その席では、優勝者だけでなく、タレントなども紹介される。いつも、好タイムでゴールインする地元出身のランナーがいた。妻がタレントの加藤かずこで、旦那のお笑い芸人の「そのまんま東」である。髪の毛の薄い、細身の男性ランナーだった。そのひとが、現在、宮崎知事の東国原氏である。
 タイムは、3時間30分くらいだったと記憶している。全5回の出場で、わたしは4時間を一度も切れていない。練習量はわからないが、素人ランナーが3時間台の半ばで、あの単調で暑いコースを走りきるのは立派である。
 冗談のような本当の場面を覚えている。テレビ中継で壇上に上った東国原氏は、「いつか宮崎知事で戻ってきます!」と宣言していた。それも一度ではない。わたしも数年続けて、宮崎のフルに出場していたので、その場面を確認している。宮崎陸上競技場の表彰式の舞台に上がっていたタレントが、その後、本当に宮崎知事になるとは考えもしなかった。
 単なる「座興」だと思っていた。それが、立候補の5年以上前であったから、宮崎県知事に当選してから、「ずいぶんと早めに選挙運動をしたもんだな」と感心したものである。
 というわけで、その後の東国原氏の発言を聞いていると、おそらく知事になった時点で、つぎは国政を意識していたものと思われる。わたしの推察は、最終着地点は、「首相になること」である。彼の最終目標は、この一点に尽きる。
 東国原氏は、優秀だとは思うが、政治に対して明確なヴィジョンを示しているわけではない。宮崎ブランドを喧伝しているだけである。ポピュリズムの代表選手のようなものである。人気取りや見掛けで議員を選ぶと、国の未来はどうなるのか?
 一般国民は、メディアの宣伝に流されやすい。無責任なメディアは、本心では国民を馬鹿にしている。視聴率がとれさえすれば、彼らの目的は達成されたことになる。メディアや言論界に、人としての良識などありえない。
 この国は、いつか来た道を再びたどりはしないだろうか? いまの政治状況は、きわめて危険な匂いがする。政治組織としてのライフサイクルを終えそうな断末魔の自民党にとっては、東国原首相の擁立もありえる話ではある。予言しておこう。