大学院IM研究科・2009年春学期「マーケティング論」授業運営スケジュール

IM研究科「マーケティング論」の前期講義スケジュールを公開する。今後、ミニ事例のテーマなど、若干の調整がある。一部の講義に変更が出る可能性がある。なお、7月30日の2時限目に、しまむらの藤原秀次郎相談役(元会長)の特別講義が予定されている。場所は、同じ101教室である。



IM研究科・2009年春学期「マーケティング論」(担当:小川孔輔)  2009年5月7日

Ⅰ 授業と事前アナウンスメント
1 授業の基本方針
IM研究科の大学院生のために、
(1)マーケティングの基本的な概念と枠組みを講義する。
   それだけではなく、基礎概念の応用力を高めるために、
(2)「事例に基づくクラス討議」(「テーマ討議」と「ミニ事例」)、
(3)「基礎文献の個人発表」、
(4)「特定課題によるフィールドワーク(グループ)」、
(5)「外部講師による講演と討議」
を準備することにした。

2 授業運営の仕組み
(1)「通常のレクチャー」:
  ・15回分の<基礎講義>が準備されている。基礎概念を、講義1~講義15で学ぶ。
 ・それに加えて、特論1~特論4が用意されている。
(2)「事例に基づくクラス討議」:
  ・毎日何らかの事例をとりあげて、クラス討議を行う。
  ・既存文献(配布資料)の中から、ミニ事例(1)~(7)をとりあげる。
  ・大きなテーマ事例については、テーマ討議(1)~(4)とする。
(3)「必読文献の個人発表」
  ・ 各講義について、講義テーマに関連した<必読文献>を指定して配布する。
  ・最初の授業で、各自に要約発表を担当する文献を割り当てる。
  ・5月14日(1-2時限の文献・討議資料)に、必読資料を配布する。
(4)「特定課題によるフィールドワーク(グループ)」
  ・本年度は、「食品スーパー・ヤオコー競合分析」をテーマに、店頭観察とマーケティング調査(ミステリーショッパー、消費者調査)を実施する。ただし、実施は、プレ調査を授業期間中に、現地での実査は、希望者のみ、学部生と夏休み期間中に行う予定である。
  ・授業参加者は4つ程度のチームを編成し、店舗(地区別)の中からいずれかを選ぶ。各チームは、対応する学部小川ゼミ(4チーム)と調査を実施する。
  ・共同作業チームを編成してフィールドワークを実施し、最終発表をする。
(5)「外部講師による講演と討議」
  ・3人の外部講師にレクチャーをお願いする。(+藤原相談役)
  ・”生きた事例”による討議をしたい。

3 テキスト・参考図書(順不同)
全体のテキストは、小川孔輔(2009)『マーケティング入門』日本経済新聞社(6月末に出版予定)。各章ごとに、以下の参考図書を使用する。

*(1)小川孔輔(2009)『マーケティング入門』日本経済新聞社(ゲラを配布)
(2)和田・恩蔵・三浦(2003)『新版:マーケティング戦略』有斐閣
(3)嶋口他編(1998~1999)『マーケティング革新の時代(1)~(4)』有斐閣
(4)嶋口編(2003)『仕組み革新の時代』有斐閣
(5)ブラットバーグ他(2003)『顧客資産のマネジメント』ダイヤモンド社
(6)フィスク他(2005)』『サービス・マーケティング入門』法政大学出版局
(7)カーン・マッカリスター(2001)『グローサリー・レボリューション』同文館
(8)井上哲浩編(2007)『WEBマーケティングの科学』東洋経済新報社
(9)日本マーケティング協会(2006)『マーケティング・ジャーナル』100号
(10)小川孔輔(2001)『よくわかるブランド戦略』日本実業出版
(11)上田隆穂(2003) 『ケースで学ぶ:価格戦略』有斐閣
(12)石井淳蔵・水越康介編(2006)『仮想経験のデザイン』有斐閣
(13)小川孔輔編(2003)『ブランド・リレーションシップ』同文館出版
(14)小川孔輔・酒井理編著(2007)『有機農産物の流通とマーケティング』農文協
(15)井本省吾(2005)『流通のしくみ』日本経済新聞社
(16)木下裕子(2006)『Branding in China』東洋経済新報社

4 成績評価:
 以下をほぼ同等に案分して成績を評価する
  ・授業内の発表・出席(報告、討議への参加発言)
  ・グループレポート(事例発表、コメント、最終報告)
  ・個人レポート(課題別テーマ)

Ⅱ 授業運営スケジュール
1―1 5月7日(1時限) 「講義1:マーケティングの基礎概念」(*第1、3章)
<必読文献> 嶋口「序章 仕組み革新の時代」
 <必読文献> レビット(2001)「マーケティング近視眼」

1-2 5月7日(2時限) 「テーマ討議1:ユニクロとハニーズの中国事業」
  <討議資料> 小川孔輔(2003)「中国へのブランド移転物語」 その他数点
   小川孔輔 個人HP、ユニクロとハニーズに関連した記事
  <必読文献> 浅羽茂・新田都志子(2004)「事例:ユニクロ」

2-1 5月14日(1時限) 「講義2:マーケティングの歴史」(*第2章)
  <必読文献> テドロー(1993)「アメリカにおけるマスマーケティングの形成」
  <必読文献> 堀越 (200?)「日経広告研究所報の論文」

2-2 5月14日(2時限) 「ミニ事例1:ソニーの未来」
  <必読文献> 出井(1999)「ブランドは消費者のメンタル・プラットフォーム」
  <討議関連資料> 小川HP(クオリア) その他は、自分で収集のこと
  例えば、(2006)『日経ビジネス』「ソニーに未来は見えたか?」4月3日号
  <必読文献> 竹内(1999)「商品開発におけるミニチュアリゼーション戦略」

3-1 5月21日(1時限) 「講義3:マーケティング戦略の構築」(*第6章)
  <必読文献> 新宅(2000)「先端技術産業における競争戦略」
  <必読文献> 岡本(2003)「技術のブランディング」

3-2 5月21日(2時限) 「フィールドワーク・グループ分け」
  <参考文献> 小川孔輔(2008、2009)「連載:小川町経営風土記(1)~(18)」
  <必読文献> ヤオコーの記事(2008年、特集号)

4-1 5月28日(1時限) 「特論1:ブランド戦略」(*第16章)
  <必読文献> 小川・金澤・田中(1997)「ブランド拡張の成功条件」
  <必読文献> 中野目純一(2009)「新興国でのブランド構築」

4―2 5月28日(2時限) 「特別講義1:新業態“なでしこ”の今」
  特別講師: 矢島孝敏(㈱やまと代表取締役社長)
  <必読文献> 矢島孝敏(2007)「業界の活性化と新しいターゲットの発見」

5-1 6月4日(1時限) 「講義4:マクロ環境の分析」(*第4章)
  <必読文献> カーン・マッカリスター(2000)「第9章:購買カテゴリーの決定」
  同じく「第10章:購入ブランドの決定」

5-2 6月4日(2時限) 「ミニ事例2:パーク24の事業展開」
  <必読文献> 黒岩(2004)「パーク24:プロダクト小口化型仕組み革新」
  <参考資料> 広本操子(2006)「パーク24:IM研究科、2006年プレゼン資料」

6-1 6月11日(1時限) 「講義5:消費者行動と顧客の分析」(*第5章)
  <必読文献> 小川(2005) 「バラエティシーキング行動モデル」
  <必読文献> ザルトマン(2005)「第8章:壊れやすい記憶」  

6-2 6月11日(2時限) 「テーマ討議2:中小企業のブランド戦略」
  <必読文献> 辻宏明(2006)「㈱藤栄 コーポレート・アイデンティティ
    コンサルテーション、小川孔輔『ブランディング・ケースブック2006』

7-1 6月18日(1時限) 「講義6―1:マーケティング・リサーチ(1)」
  (*第7章)
  <必読文献> 小川(2009) 「マーケティング・リサーチ(マーケティング用語集から)」

7-2 6月18日(2時限) 「特別講義2:ディーラーの店頭マーケティング活動」
   特別講師: 豊田 剛 (神奈川トヨタ)
  <必読文献> 田中正(2007)「第3部第2章 トヨタ生産方式の販売業への活用」
         藤本隆弘『ものづくり経営学』光文社新書

8-1 6月25日(1時限) 「講義6―2:マーケティング・リサーチ(2)」
  <必読文献> 小川(1990) チェーンストアエイジ連載記事(2点)
  <必読文献> 長崎(2003)「ブランド管理におけるパッケージ戦略」
  <ミニ事例3> 「サントリー、アド生の発売」

8-2 6月25日(2時限) 「テーマ討議3:中国へのブランド移転
                (事例:上海錦江麒麟食品有限公司)」
  <必読文献> 小林厚(2007)「キリンビバレッジ中国の飲料事業」
         小川孔輔『ブランディング・ケースブック2006』所収
  <参考図書> 木下裕子(2006)『Branding in China』東洋経済新報社)
  <必読文献> 阿久津(1999)「異文化へのブランド移植」

9-1 7月2日(1時限) 「講義7:製品開発のプロセス」(*第8章)
  <必読文献> 竹内・野中(1999)「ラグビー方式による新製品開発競争」

9-2 7月5日(2時限) 「講義8:新製品の普及と予測」(*第9章)
  <必読文献> 小川・林(1998)「米日間でのマーケティング技術の移転モデル」
  <参考図書> ダンカン・ワッツ(2004)『スモールワールド・ネットワーク』

10-1 7月9日(1時限) 「特論2:サービス・マーケティング」(*第17章)
  <必読文献> フィスク他(2005)「サービス・マーケティング入門」
  <必読文献> 藤川(2008)「サービス・ドミナント・ロジック」

10-2 7月9日(2時限) 「ミニ事例4:帝国ホテル」
  <必読文献> ブラットバーグ他(2002)「付録:顧客資産のマネジメント」
  <ミニ事例4> 小野(1999)「帝国ホテル:顧客獲得の維持とバランス」
  <参考資料> 小川(2007)「帝国ホテル:小林社長インタビュー」『Hotel Review』

11-1 7月16日(1時限) 「講義9:価格づけの理論」(*第10章)
  <必読文献> 上田(2004)「価格・プロモーション戦略体系と新しい動向」
  <参考図書> 戸田(2007)『吉野屋阿部修仁 逆境の経営学』

11-2 7月16日(2時限) 「安心・安全の食品流通をデザインする」(*第18章)
   特別講師: 徳江倫明(エフ・ティー・ピー 代表取締役社長)
  <テーマ討議4> 「食の安心と安全を作る」
  <参考図書> 小川他編著(2007)『有機農産物の流通とマーケティング』農文協
  <必読文献> 小川(2007)「食のSPF」『チェーンストアエイジ』2月15日号
  <参考図書> 徳江(2005?)『あぶないものを作りすぎた?』

12―1 7月23日(1時限) 「講義10:価格決定の実務」(*第11章)
  <必読文献> ゴービル他(2003)「プライシングと消費者心理」
  <ミニ事例5> 上田(2003)「日本マクドナルド:スケールメリットを追求する」

12-2 7月23日(2時限) 「講義11:広告宣伝活動」(*第12章)
  <必読文献> 阿部(2003)「広告は売上に本当に効果があるのか?」
  <必読文献> 岩崎・小川(2008)「テレビ番組の価値マップ」
  <ミニ事例6> 「日テレ:視聴率の質的な測定」

13―1 7月30日(1時限) 「講義12:セールス・プロモーション」(*第13章)
  <必読文献> 小川他(1999)「景品付きプロモーションの意外」
  <必読文献> 大槻(1998)「日用消費財メーカーにみるプロモーション戦略の変化」

13―2 7月30日(2時限) 「講義13:代替的チャネルの選択」(*第14章)
  <必読文献> 小林(2004)「流通・営業戦略の新視点」
  <必読文献> 渡辺(2004)「マーケティング・チャネルのマネジメント」
14-1 8月6日 「講義14:小売業の経営と店頭管理」(*第15章)
  <必読文献> 小川・並木(1999)「セブンイレブン:進化するコンビニ・システム」
  <参考図書> 小川(1999)『マーケティング情報革命』

14-2 8月6日 「講義15:ビジネスロジスティックス」(第)
  <必読文献> 南・具(2004)「ロジスティクス」
  <必読文献> 野島美保(2007)「デジタルコンテンツの顧客満足度曲線:
    オンラインゲームの事例分析」井上編所収 
<ミニ事例7> 中田(1999)「ヤマト運輸:新市場の発想と革新」

   * 15 「フィールドワーク発表会」(9月夏休み明けに実施)

<必読文献一覧>
1 嶋口(2003)「序章 仕組み革新の時代」『マーケティング革新の時代』
2 レビット(2001)「マーケティング近視眼」『DHBR』
3 小川(2003)「中国へのブランド移転物語」『チェーンストアエイジ』
4 浅羽茂・新田都志子(2004)「事例:ユニクロ」
5 テドロー(1993)「アメリカにおけるマスマーケティングの形成」
6 出井(1999)「ブランドは消費者のメンタル・プラットフォーム」
7 竹内(1999)「商品開発におけるミニチュアリゼーション戦略」
8 新宅(2000)「先端技術産業における競争戦略」
9 岡本(2003)「技術のブランディング」
10 小川・金澤・田中(1997)「ブランド拡張の成功条件」
11 矢島孝敏(2007)「業界の活性化と新しいターゲットの発見」
12 カーン・マッカリスター(2000)「第9章:購買カテゴリーの決定」
13 カーン・マッカリスター(2000)「第10章:購入ブランドの決定」
14 黒岩(2004)「パーク24:プロダクト小口化型仕組み革新」
15 小川(1992)「消費者行動とブランド選択の理論」
16 ザルトマン(2005)「第8章:壊れやすい記憶」  
17 辻宏明(2006)「㈱藤栄 コーポレート・アイデンティティコンサルテーション」
18 ケラー他(2003) 「ブランドポジショニングの最適化戦略」
19 田中正(2007)「トヨタ生産方式の販売業への活用」
20 小川(1990) チェーンストアエイジ連載記事(2点)
21 長崎(2003)「ブランド管理におけるパッケージ戦略」
22 小林厚(2007)「キリンビバレッジ中国の飲料事業」
23 阿久津(1999)「異文化へのブランド移植」
24 竹内・野中(1999)「ラグビー方式による新製品開発競争」
25 小川・林(1998)「米日間でのマーケティング技術の移転モデル」
26 ダンカン・ワッツ(2004)『スモールワールド・ネットワーク』
27 フィスク他(2005)「サービス・マーケティング入門」
28 小野(1996)「リレーションシップ・マーケティングと顧客維持戦略」
29 ブラットバーグ他(2002)「付録:顧客資産のマネジメント」
30 小野(1999)「帝国ホテル:顧客獲得の維持とバランス」
31 上田(2004)「価格・プロモーション戦略体系と新しい動向」
32 上田(2003)「日本マクドナルド:スケールメリットを追求する」
33 小川(2007)「食のSPF」『チェーンストアエイジ』2月15日号
34 小川(2001)「食は「ファースト」から「スロー」の時代へ」
35 ゴービル他(2003)「プライシングと消費者心理」
36 阿部(2003)「広告は売上に本当に効果があるのか?」
37 小川他(1999)「景品付きプロモーションの意外」
38 大槻(1998)「日用消費財メーカーにみるプロモーション戦略の変化」
39 小林(2004)「流通・営業戦略の新視点」
40 渡辺(2004)「マーケティング・チャネルのマネジメント」
41 小川・並木(1999)「セブンイレブン:進化するコンビニ・システム」
42 南・具(2004)「ロジスティクス」
43 野島美保(2007)「デジタルコンテンツの顧客満足度曲線:
オンラインゲームの事例分析」井上編所収 

<事例資料>
51 <ミニ事例1> (2006)『日経ビジネス』「ソニーに未来は見えたか?」4月3日号
52 <ミニ事例2> 広本操子(2006)「パーク24:IM研究科、2006年プレゼン資料」
53 <ミニ事例3> 長崎(2003)「サントリー、アド生の発売」
54 <ミニ事例4> 必読文献 小野「帝国ホテル」
55 <ミニ事例5> 必読文献 上田(2003)
56 <ミニ事例6> 岩崎(2007)「日テレ:視聴率の質的な測定」
57 <ミニ事例7> 中田(1999)「ヤマト運輸:新市場の発想と革新」
71 <テーマ討議資料1> 小川(2003)「中国へのブランド移転物語」 その他数点
72 <テーマ討議資料2> 辻(2007)「藤栄」
73 <テーマ討議資料3> 小林(2007)「上海錦江キリン」
74 <テーマ討議資料4> 小川(2007)「食のSPF」
75 <フィールドワーク> 昨年度、一昨年度、PPT諸資料