PCガーベラ販売部の鈴木誠さんから、いつもメルマガ「浜名湖の風」が届けられる。第3号を見て、「オランダはガーベラの国内自給率が100%であることを知った。びっくりです。その理由を教えてください」とメールしたところ、ていねいにその理由を書いてきてくださった。本HPにアップさせていただく。国内の花生産者の参考になる点も多い。
鈴木さんのメールには、オランダの市場データもついていました。その点でも貴重な資料です。< >内は、小川のコメントです。
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(2008年12月28日)
先生いつもありがとうございます
返事大変おそくなりました
オランダのアールスメール市場の2007年のデータ抜粋
・ ガーベラ全体の輸入シェア 2.3%(金額ベース)
・ ミニガーベラ売り上げ 80,835,000ユーロ(+7.4%)
・ 同 本数 639,924,000本(+14.9%)
・ 同 単価 12.63ユーロセント
・ 大輪ガーベラ売り上げ 45,334,000ユーロ(-3.4%)
・ 同 本数 186,637,000本(+2%)
・ 同 単価 24.3ユーロセント
・ 全平均で、単価 15ユーロセント
<以上の市場価格データを見ると、オランダ基準では単価(ユーロ安なので約20円、以前のレイトだと単価30円)が、それほど安いはないですね。もちろん、輸入はほとんどないことがわかります>
ガーベラの価格は、1月が19ユーロセント、2月が20ユーロセント
4月~9月までが10ユーロセント前後、その後上がっていきます
以上がアールスメール市場のデータになります
<以下がポイントです>
オランダで輸入シェアが低い理由は
① 生産性が抜群 日本との比較で、株当たり2倍以上(年間)
② オランダは育種国なので、風土にあった品種開発に有利
特に近年は、生産性に重きを置いている
③ いち早く、土耕栽培から、ロック、ヤシガラ等に変更し、栽培技術の高度化
に努め、2年据え置き(日本の平均)から、3.7年平均と2倍以上、栽培期間が延びて苗代金の低
下に成功した
④ 出荷形態が、エルフBOXに、キヤップしないでそのまま入れて送る形態なので 諸外国からのダンボール輸送より、出荷コストの低減に成功した
大輪ガーベラは、オランダ国内生産でも、ダンボールの挿し箱スタイルもある
⑤ 移動ベンチ、LED照明、3層カーテン、大規模ハウス、全てに補助金がつく
⑥ オランダ国内の大規模生産者のベスト1、ホルステン、No2、ランスベルゲンともに著名な育種家であり、苗生産でも儲けが出る
⑦ 単価が安いので、輸入や近隣ヨーロッパ諸国はロジス経費負けする
⑧ オランダ以南の国々は、夏の暑さがガーベラ栽培に適さない
以上のような理由が考えられます
もっと秘密があるかもしれませんが、私の知っている現状のオランダガーベラ状況です
<育種、生産技術、物流の3本ブロック柱で、輸入が入れないようになっている。日本でもガーベラのような花は、国産に有利である。一番はやはり、低単価で栽培できて、効率よく運べるシステムを構築することだろう。浜名湖の健闘を祈ります。以前、千葉の講演会で、「ガーベラは単価が安いので、将来はむずかしいかな」と話したことがある。
正直に言うと、よく生産や商品を知らないわたしの判断ミスだった。そのときに聞いていた人たちにお詫びしたい。商品的にも、単価の面でも、とくにホームユース市場が拡大しつつある現在、ガーベラは国産ではもっとも将来性があるクロップである。まちがいなく主役の座を射止めるとおもう。>
来年も先生の大活躍を祈っています、良いお年をお迎え下さい
鈴木誠より
<このあとに、PS: があるのですが、鈴木さんの娘さんのことでしたので、個人情報漏洩を考えて省略します>