本日のお昼に、ぎりぎりになって大学院の論文発表会(最終プレゼン)が、対面からオンラインに切り替わった。学生たちには可哀そうなことになったと思っている。最後の発表機会が失われてしまったことと、対面でないと論文の良さが伝わらないからだ(小川の持論)。
学生のひとりからは、感染対策は注意深く講じているのだから(そもそも学生は一人しか入室ができない)、対面で発表したかったという意見がわたしのところにも送られてきた。確かにそうなのだが、おそらくは教師側が複数教員が同室になるので、その懸念から執行部は対面をあきらめたのだろうと推察する。
いま全部で10篇の論文(プロジェクト報告書)を読み終えようとしている。のちほど一般的な評価をここで講評してみたい。個々の報告書は、匿名でわからないようにコメントすることにしたい。優秀作品もそれでもない論文もあった。
ただし、際立った傾向を一点だけ事前に紹介する。今年の傾向として、地域特産品や地方の活性化をテーマにした論文が多かったことである。出身地の農産品やお祭りなどを後世に伝えるだけでなく、課題解決を取り上げたプロジェクト報告書に特徴が見られた。
*個々のテーマについては、午後の仕事が一段落してから紹介してみたい。
復帰したので、感想を継続する。論文のテーマで、地域活性化に関連する論文は次のようなものである(*わたしが、内容を読み込んで、タイトルを勝手に変更している)。
・希少海苔の製販一体型モデル
・阿波踊りのイベント・リデザインによる地域活性化
・宮崎産へべすの地域ブランディング
・東北地方の農産品を販売する地域商社モデル
・街の書店の活性化策
・地域防災拠点にキッチンカーを導入するプラン
また、自然を取り上げたテーマとしては、
・自然と植物の接点(密度)を可視化するモデル開発
・カイコの食用化プロジェクト、カイコ栄養ドリンクの開発?
・滞在型市民農園に可動式ハウスを活用する提案
わたしが農業とフードビジネスをテーマにしていることもあるのだろう。主査の担当をして、さらに副査を命じられた論文は、ほぼこの二つの分野(地域活性化と自然環境)に集中している。3日後にプロジェクトの発表会がある。例年とほぼ出来は同じだが、論文としてのクオリティには指導教授の個性も出ているように感じる。
コロナの下で、十分な指導ができていない学生も見受けらえれる。そうした学生も卒業はしていくだろうが、卒業後が心配ではある。では、次の仕事に移ることにする。