一昨日、昨日の二日間にわたって、「日本ばら切花協会セミナーin岐阜」に講師として参加した。講演には2時間をいただいていた。しゃべっているうちに、講演の時間が2時間をこえてしまった。「3時半までにお願いします」とメモが入った。例によって、そのまま続けてしまった。ごめんなさい!
前回の講演(6月の別府アーチング研究会)では、60分しか時間をもらえなかった。内容は今回と同じである。だから、前回の内容を完全に話そうとしての延長であった。関係者の方には、ご迷惑をおかけしてしまった。
講演が終わった交流会の席で、豊橋農協バラ部会長の山口兵庫さんから質問を受けた。若い元気の良い生産者のかたである。翌日、以下の流れで、名古屋駅で、一緒に「ひつまぶし」を食べた。それはいいとして・・・ 山口さんによると、
TBSの朝の番組で、みのもんたが、「さまざまな商品の価格が上昇しているなかで、バラも値段もあがっています!」と指摘していた。「けしからん、がっかり! 小川先生、どう思いますか?」。わたしの答えは、しごく簡単である。
第一に、わたしの経験によると、一般にマスコミは、客観的な事実などあまりきちんと調べない。調べる気さえもっていない。彼らは、世の中の人がそのように言ってほしい、あるいは、そのように言われると気持ちがよい。そのようなふうな発言をメディアに流す傾向がある。
一般庶民の代表だからである。わたしがいちばんきらいな、大衆迎合のポピュリズム(人気取り)である。だから、バラの店頭小売価格はもちろんのこと、重油など諸物価の価格が上昇したときに、「なんでもかんでも、商品の値段はあがっているはず」と放送するのである。「もちろん、バラなどの高級品もあがらないはずがない!」ときちんとした根拠も無くしゃべっただけである。まちがいなく、そうだと思う。
バラの生産者のかたは、「出荷価格が下落していたので、それはないよ!」と思うだろう。小売だけがもうけているのか? そんなことはない。値あげした花屋だけがもうけているわけではない。たぶん、バラの小売価格には変化がないか、むしろ売れないぶんは、価格が下がっているはずである。こんなに売れていないのだから、上がるはずはない。
二番目の問題は、しかしながら、わたしたちが、メディアに反論するデータをもっているかどうかである。正面きってクレームをするにしても、提供できる客観的な「全国バラ価格指数」などのデータベースは存在していない、そして、反論する主体はあるのかどうか? 農水省はどうか? JFTDは? 卸売市場協会は? そしてわたしたちJFMAには、それができているのか?
これが問題なのである。マスコミがいい加減な情報を流したときに、わたしたちが反論する根拠がないのである。反論すべき主体も組織もない。したがって、情報という道具をそろえましょう。その場では、そういうしかなかった。でも、それをやり遂げるつもりである。
JFMAは、先月、小売情報収集プロジェクトを発足させた。その成果が実れば、IFEX2008では、全国の代表的な小売チェーンの販売動向をテスト的に掲示ことになる。最初は、2007年と08年の「母の日」について、既存店での部門別売上と客数、客単価の動向を発表する。予定では約200店舗のデータを公表するつもりである。その後には、順次、発表取り扱い店舗数を拡大する。花業界の皆さん、期待してください。