日本商業学会の全国大会(第58回)が、5月30日(土)と6月1日(日)の両日、法政大学で開催される。実行委員長は、経営学部の同僚、矢作敏行先生である。わたしは、統一論題の第3セッションでコーディネーターを担当する。発表者は、山本昭二(関西学院)、余田拓郎(KBS)、青木幸弘ほか(学習院)である。私ども研究者がパネルで司会するときの舞台裏の一部を公開する。討論メモ:5分間の解題である。
コーディネーターの役割は、木村純子さん〈法政大〉からいただいているメモによると、5分間でテーマについて<解題>をすることである。そこで、3つの報告を、リレーション・マーケティング研究の枠組みの中で、それぞれ位置づけることにした。
・山本昭二(関学)の報告「リレーションシップ・マーケティングは、何を目指したのか?」は、サービスマーケティングの視点からのアプローチ
・余田拓郎(KBS)の報告「ビジネスマーケティングにおけるリレーションシップ研究の意義と課題」は、B2B(企業間取引)の視点から、関係性マーケティングの発展を見ている
・青木他(学習院)の報告は、B2C(対消費者)の視点から、ブランドが企業と消費者をどのように結んでいるのか「関係作り」という観点からのアプローチという関連付けをすることにした。実際にもそうである。
なお、研究の焦点はどこにあるのかについては、ふたつの指摘をしておくことにする。
・「顧客関係性」は、どのように作られるのか?
→ 関係性構築のメカニズム(ドライブしたものは?) 「顧客資産」
・学問研究と歴史的な観点からは、マーケティングの仕組みそのもの変遷(パラダイムチェンジ) 余田先生
・サービスビス経済化とIT技術の発展 「サービスマーケティング」 山本先生
・マーケティングモードとの関連 「ブランド資産」 青木先生
最後に、「関係をつなぐもの」という視点で、3つを指摘しておく。
・企業(商品・サービス)と顧客(従業員)
・サービスの提供過程での発展
・インタラクションが作り出す関係性の質的向上
以上のようなメモを準備した。