NHK国際放送(ラジオ)に出演するため、先月の20日に電話での収録を済ませていた。本HPで安代リンドウの海外輸出を知ってのコンタクトだったらしい(未確認)。英語でのラジオ放送は、連休中の先月29日に終わっていた。そのことを、放送終了の数日後に、NHKに問い合わせてはじめてわかった。
以下は、放送の原稿を作るために、わたしが提出を依頼された<Q&A>のうち、<A>のほうである。実際に放送された英語のテキストは、著作権の関係で「掲載NG」とのことである。質問文は簡潔にして、わたしのオリジナルの文章もやや簡素にしてアップすることにした。実際の放送では、かなり異なる英語表現になっている。そのことをお断りしておく。
1)安代りんどうが、海外に輸出するようになったきっかけは?
→ もともと、季節が逆なニュージーランドへ、日本人(岩手県農業試験場)が持ち込んだのがはじまりです。いまのような春先にも、りんどうが楽しめるわけで・・・。まず、ニュージーランド人がオランダに「春先に」輸出することになり、それならばというので、日本からも「秋口に」オランダに出荷することになった。日本で狙った周年供給が、オランダで実現したわけです。人気品目となるきっかけです。
2)輸出には様々な難しさがあるかと思いますが、成功の秘訣は?
→ 最初は、失敗の連続だったようです。梱包を工夫して、鮮度保持に細心の注意を払ったこと。それと郵送方法だけでなく、品種の選定など、安代の技術指導者の努力が大きいですね。
3)どのような品種が人気なのでしょうか。
→ ニュージーやチリからも出荷されるようになった「安代の秋」「安代の夏」がブランドとしては人気が定着しています。色合い、姿形が魅力的な独自品種だからでしょうね。
4)海外マーケティングでの難しさは。
→ 三つの壁を克服すること。輸送費、鮮度、品種(プレミアム価格が取れるブランド品)。なかなかむずかしいです。
5)海外の人々に愛されるリンドウの魅力とは?
→ 色合いと楚々とした独特の草姿でしょうね。また、日本人が直接ではなく、そのよさを伝えてくれる「オランダ人」の友人(日本の会社と市場で一年間研修した、現在オランダの花市場の担当者:ユルン君)がリンドウの販売を仲介してくれたこと。実は紹介者はわたしでしたが。現地に仲間がいたことが安代りんどうの更なるプロモーションを成功に導いたきっかけでした。
6)安代の成功で、日本からの花の輸出をすすめる動きがあるとのことですが、今、取り組んでいるプロジェクトについて教えてください。
→ 上海に日本の切花を輸出するプロジェクトです。農水省の支援によるものです。昨年度は実験的にですが、課題がたくさん見つかりました。はっきりしたことは、日本の花を海外(中国)で売るためには、まずは、プレミアム商品(富裕層向けの高付加価値の花)を販売する「日本ブランドのショップ」が必要だということです。そのために、今年度には民間ベースで新しいプロジェクト(日本の花を販売するためのフラワーショップのチェーン展開)がスタートする予定です。