学部長日誌(2): 診療室受験の予約

 法政大学では、今年度から診療室受験を廃止することにした。昨日のHPでお知らせした通りである。不幸な事態を招いた原因を知ってしまったので、「追伸」としてここで紹介することにする。


引き金になったのは以下のような事件であった。昨年度の受験でたまたま気分悪くなったのか・・・静かな環境で保健室受験が経験できた学生が、調子に乗って帰り際に、看護婦さんに、「明日も受験に来るので、診療所受験を予約したいのですが」という間抜けな発言をしてしまった。
 あきれた入試事務部の職員は、とうとう保健室受験を認めないことを決意したのである。経済学で言う「モラルハザード」(道徳的退廃)である。こうしたたぐいの話は、本日の経営学部受験(経営学科)でも起こっていた。受験本部で最高責任者をつとめる立場にあった関係で、ごくつまらないことでもその場での判断を求められる。
 たとえば、今日はある教室から問い合わせがあって、「教室で解答しているときに、耳栓をしていいかどうか」をたずねられた。そのほうが気持ちが安定するかららしい。わたしたちの答えは、「ノー」である。その理由は誰が考えても分かるだろう。監督官の指示が聞こえなくなってしまうおそれがあるからである。かくのごとく、現代の受験現場では想像を絶するようなことが起こっている。あもしろいネタには事欠かない。