MJ(日経流通新聞)にドイツ由来の「森林認証制度」が紹介されています。きっとわたしたちの「MPS」(花き環境認証プログラム)の導入の参考になりそうな事例ですよ・・・
JFMA広報担当の佐藤綾子さんから、森林認証の記事(金沢かが森林組合)のコピーを見せていただいたのは、先月の終わりのことである。いつものように、速攻で金沢に電話入れた。
同組合の専務理事?(親切だった)に、実際の認証業務を実施している「アミタ(株)」の小川直也さん(経営企画室認証グループ)を紹介していただいた。アミタが海外の認証業務を請け負っているとのことであった。
アミタの本社は、なんと運良く法政大学(富士見町)の目と鼻の先、千代田区三番町に事務所にあった。歩いても行けるので、面談は簡単である。小川さんは出張中だったので、女性事務員のかたに、わたしの携帯に連絡をもらうように頼んだ。MPSの岐阜セミナーに間に合えば・・とやや手前勝手に考えたからである。
翌日には連絡があった。10分間ほど、簡単に当方の事情(オランダ認証制度の移植)と先方のおおよその取り組みの状況(FSC森林認証制度)について情報交換した。そ日のうちに、小川さんには10月(11日午前9時~)のJFMAモーニングセミナー(四谷スクオール麹町)での講演を依頼した。
聞いてみると、アミタが手がけた「かが森林組合」の森林認証は、日本で24番目の認証団体であった。FSCの本部はドイツにある(以前はメキシコが本部)。FSC(Forest Stewardship Council )という商標の森林認証は、日本では海外の認証会社4社が実施している。アミタ(株)はそのうちの2社とおつきあいがあった。委託を受けて認証実務を代行していること。
海外のうちの一社は、米国SCS社(Scientific Certificate Systems)は、花の環境認証マーク「Veriflora」の認証団である。偶然の一致である。もう一社は、チャールズ皇太子が名誉会長を務めている「王室土壌協会」(SA:Soil Association)である。SAは、欧州では有機野菜の認証団体として有名である。ここが、森林の認証業務を日本で行っていた。アミタは、同社の委託人形業務も行っている。
同社が廃棄物の再処理事業(姫路市)からビジネスをはじめて、環境監査に業態を広げていったことは後で知ったことである。その日、MJの記事とアミタのHP以外に、ほとんど情報がない状態であったが、環境・認証・ドイツ、そのキーワードだけの情報で、そして、電話で話したかたがたまたま同姓(小川)であるという理由で、その場で定例会での講演をお願いすることにした。
以下は、環境認証の説明で、同社のHP
「FSCは、Forest Stewardship Council: 森林管理協議会」の略語である。森林認証は、世界的な森林減少・劣化の問題(1980年代の熱帯雨林と砂漠化)と、グリーンコンシューマリズムの高まりを背景として生まれた環境保護運動である。「適正な森林管理」(“Well-Managed”)を認証する制度である。そのなかで、 FSC森林認証では、「森林管理のためのFSCの10原則と基準」に基づき、適正に管理された森林を認証している。認証された森林の林産物でできた木材製品には、FSCのロゴマークがつき、消費者に対して、認証された製品であることが分かり易く伝える(木材や完成品に、ロゴマークが刻印されている)。認証された製品が市場に増え、購入が進むことによって、適正に管理される森林が守られ、森林の破壊や劣化を招くことなく、木材消費が進むというシステムである。
2004年2月現在、世界のFSC認証の森林面積は4,100万ヘクタールを超え、ヨーロッパ(スウェーデン、イギリス、ベルギー、ドイツ、チェコ、イタリアなど)、北米、中南米を中心に広まりを見せている。今後は、日本をはじめとしてアジア諸国への拡大が期待されている。日本では、2000年に、三重県の速水林業がFSCの認証第一号である。アミタが認証業務をSCSから委託を受けて実施した
後日、詳細を述べることにするが、わたしが欧米と日本(農業生産者)の間を取り持って、認証業務を行っている機関に会ったのは偶然ではない。見出しにそのように書いたが、必然である。また、幸運でもあった。